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第47話

真弓は前で歩き、達也が彼女について行った。

二人の影が合わせた。

宴会場の人達が皆見かけたので、二人に注目した。

この二人は一体本当に関係できたのか?!

車の中。

真弓はくらくらした。

やはり飲みすぎだった。

彼女は長い間このように飲まなかった。文哉と別れてから、千葉グループへ行かなかったから。

今宵......

彼女は多少気が重かった。

全てを見透かしたと思ったが、多くの質疑の中で、思ったように垢抜けしたとは言えなかった。

車が目的地に到着した。

振り向くと、真弓が車窓に靠れて寝ていた。

頬が赤くて呼吸が均一だった。

達也が車を降りて、真弓を横にして抱え上げた。

真弓は眉を顰めた。気分が悪く感じて、また眩暈があって体がだるくて、抵抗しなかった。

「パスワードは?」真弓を抱えてドアまで来て、声が低くて魅力的だった。

真弓は惚けたかそれとも飲みすぎて意識不明になったか分からなくなった。

「私の誕生日......」

数字を言えない内に、機械的な女の声が聞こえた。「ドアが開けました」

真弓を抱え上げてドアに入った。

靴箱を開けると、二足のスリッパがきちんと並べられていた。

達也が口元を引き上げて、男子用のスリッパを取り出して、履き替えて、長い脚で真弓の家に入って。真弓を寝室まで抱え上げて行った。

柔らかいベッドに置かれて、真弓の体は少し捩じった。

達也の黒いコートを着ていたし、タイトなドレスを履いていた。

彼女の体は明らかに辛かった。

達也は彼女のハイヒールを脱いだ。

脱いですぐ、柔らかい踵に赤くなったところを見かけた。怪我していた。

達也は唇を窄めて、立ち上がって彼女に黒いコートを脱いで上げて、タイトなドレスを見て、躊躇して、結局諦めた。

バスルームに入って、タオルをお湯で暖めて、真弓に化粧を落としてあげた。

軽く拭いたが、結局真弓が目覚めた。

ぼんやりした目つきで目前の男を見ていた。距離が近かった。

栴檀の微かな香りが彼女の鼻に漂っていて、なかなか消えなかった。

目がぼやけてはっきり見えなくても、彼が誰だか一瞬分かった。

「起きたか?」達也の声が低くて掠れていた。

いつもとどうにか違っていた。

でも、どこが違うか区別つけなかった。

「私が嵌められたこと、どうして分かったの?」真弓が聞いた。

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