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第50話

真弓が地面に降りて、振り返って見ると、ベッドサイドテーブルの上に水が入ったコップが置いてあって、水が薄黄色で、コップの下に1枚のメモがあった。

メモにはこう書いていた。「蜂蜜の水を飲むと少し楽になる。目覚めたら、朝食をとって、嘔吐した空腹が胃に良くない。そして、僕は今日から出張で、1週間後に北城へ戻る」

力強い文字で、招待状の文字と全く一緒だった。

真弓は蜂蜜の水を一口飲んだ。

冷たさに少しの甘みがあり、心に沁みた。

心もその瞬間に揺れた。

突然思いついた。夕べ、彼が待ってくれと言ったのは、もしかして、今日から出張で1週間会えなくなると思ったのか......

真弓はグラスを置き、バスルームに入って、汚れたドレスを脱いでシャワーを浴びた。

シャワーを浴びてから、直接ドレスをゴミ箱に捨てた。

どうせ貰い物だったので、惜しいと思わなかった。

居間に戻り、ソファに横になってしばらく休もうと思った。二日酔いで元気が出なくて、突然、達也のメモに書いた文字を思い出して、空腹は胃に悪いって......

彼女は立ち上がり、台所に入った。

簡単な朝食を作っていた時に、電話が鳴った。

着信を見て、振動モードにして携帯を置いて無視した。

朝食ができ上がり、テーブルに戻って、携帯を取り出してニュースを見ようと思ったが、文哉から何通のショートメールが届いた。

彼女は唇を窄めてクリックして開いた。

何枚かの写真だった。

写真には、達也が礼子を引っ張っていて、礼子が不快な顔して抵抗しなかった。

二人の関係は曖昧に見えた。

もう1通のメールが来た。「真弓、気まぐれにしないで、樋口は君のことが本気で好きになったじゃなくて、君が美しいから、遊んだけだ。言っとくけど、彼のような優秀な男は、女が君だけでなく、大勢いると思う」

彼女の頭に突然和彦の言葉を思い出した。パパが安田礼子のことが好きだって。

トーストを食べながら、さりげなくメールを回答した。「大人同士で、遊びだって、誰が戯れたかはっきり言えるのか?」

その後、文哉をブロックした。

千葉別荘。

文哉は朝早く起きて、早朝のニュースを見ることにした。幸いなことに、樋口旦那様の古希の誕生日祝宴についてのニュースは一つもなかった。彼だけでなく、達也と真弓のような出来事もニュースに一切出なかった。多分、樋口グループ
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