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第58話

「星野グループは父が経営していたが、少し前から私は引き継ぎました」真弓は重点だけ簡単に説明した。「素直に言うと、前の星野グループの服はごく普通でした。でも、これから異なります。これは来期のデザインで、礼子さんに見て頂きます」

礼子が真弓を一瞥して、この女についてあまり知らないが、聞いたことがあったのは、この前の出来事だった。真弓は男に頼るタイプの人だと思った。どうせ、彼女が皆の前に現れたのはいつも文哉と一緒だったから。

先ほどの話を聞いて真弓への見方を少し変えた。融通が利いて、さっぱりで、卑下せず自慢せずだった。

噂を全く信じてはならなかった。

礼子がiPadを受け取り、設計図を見て、目が光らせた。

真弓と食事してタレントの話をすると約束したので、休憩室にいて暇つぶしの時に、星野グループの服装について調べて、全く取り柄がなかった。でも、今度のタレントを断れないとはっきり分かっていた。兄さんに強いられて受けるしかなかった。でも、今の設計なら、彼女の星野グループの服装についての印象を完全に覆した。

「これからは異なります」この言葉は嘘ではなかった。

「素晴らしいです」礼子が頷いて認めた。

「もし礼子さんが星野グループの服装を認めて、当社のタレントになってくれるなら、契約費ついて打合せましょう」真弓が流れに任せて言い出した。

「御社がいくら出せますか?」礼子が聞いた。

「調べによると、礼子さんの普通のビジネスタレント代は約40億円前後ですが」礼子を見ながら真弓が言った。「星野グループがこの価格を出せます」

「割引しましょう」礼子が素直に言った。

真弓がびっくりした。

「そうしないと足を打ち折られると思います」礼子が冗談を言った。

真弓はもっと不思議となった。

「50%割引して、私の市値は10桁が最低限ですから、それ以下ならエージェントが許しません。だから20億円で星野グループのタレントになります」そして礼子が補足説明した。「単独タレントですよ」

そういえば、礼子以外のタレントが許されないとのことだった。

真弓はびっくりするほど喜んだ。

礼子が最大のサービスをしてくれた。今日の彼女は遥かに予想を超えた。

一番多く思ったのは、礼子に一言で断られることだった。どうせ、夕べの樋口の宴会に彼女も現場にいたし、達也との曖昧なことを見られたし、この
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