第62話

真弓は一言を残して、振り返ることなく傲慢に会議室を出て行った。

40代の自分が、20代の女に脅かされるとは峰松が思わなかった。

彼は急いで一夫に電話して状況を報告した。

「彼女をほっといて、僕の指示に従えばいい」一夫は真弓のことを全く気にしなかった。「何かがあったら、俺が責任を取るから」

「分かりました」

峰松は邪悪な笑みを浮かべて、真弓が一人でどこまでやって行けるかを楽しみにしていた。

......

真弓は金子と共に直接星野グループの生産工場に行った。

ワーカー達がストライキ?!

理由もなく、なぜ突然ストライキしたのか！

工場は郊外で、少し町から離れていた。

真弓が着いたのは午後だった。

彼女は昼食を食べず、直接工場長に会いに行った。

工場長の牧野徳安は真弓に少しの敬意も払わず、考えなくても分かったが、彼は峰松と繋がって、一夫の子分だった。

「新会長がとても若いと聞いていたけど、まさかこんなに若いとは思わなかったです!」 徳安はお世辞を言っているようだが、皮肉に満ちていた。「我が娘と同じくらいの年齢に見えて、娘は良く甘えたりしていたが、比べたら本当に腹立ちますね!」

真弓はそれを聞いても分からなかったので、直接聞き出した。「ワーカー達がストライキをしていると峰松に言われたが、どういうことなの？」

「どう言う事って、給料がやすいでしょう！」

「私が知っている限り、星野グループが支払う給料は適当な市場レベルで、しかも福祉厚生など、他の工場よりも増しだが」

「しかし、今回の納期が短くて、残業しないと完成できないから、残業代が出ないと言われて、誰でも不満するでしょう？！」

今の彼女は一夫に引っ張られたと言わざるを得なかった。

「会長、他には質問がありますか？なかったら仕事に戻ります」徳安が言い終わって直接出て行った。

真弓は唇を窄めて、金子と共に工場を出ようとした。

入り口に着く前に、突然ワーカー達に囲まれた。

「お前は星野グループの新会長か?!俺たちを圧迫して良心でもあるのか？」リーダーみたいなワーカーが凶悪な口調で問い詰めた。「今日、俺たちに上手く回答してくれなきゃ、ここを離れさせないぞ！」

「こうやって俺たちを工場から追い出せると思ったのか？あり得ない！俺はここで丸7年間働いて、簡単に追出せるのか！」

「説明