青空に薄い雲と狼
「涼宮さん、本当に名前を変えるおつもりですか?
名前を変えると、学歴証明書やその他の証明書、それにパスポートの名前も全部変更する必要がありますよ」
涼宮しずかは静かにうなずいた。
「はい、もう決めました」
窓口の職員はまだ説得を試みる。
「成人してから名前を変えるのはかなり手間がかかりますよ。
それに、もともとのお名前もとても素敵だと思いますが......もう少し考えてみてはいかがですか?」
「いいえ、もう考え直しません」
しずかは迷いなく改名同意書にサインした。
「お願いします」
「かしこまりました。変更後の新しいお名前は『飛鳥』でよろしいですね?」
「はい、そうです」
飛鳥のように、もっと遠くの空へ飛び立とう。