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第6話

私は両親に、上品でありながら決して豪華すぎない服を特別に選んであげた。

主催者への敬意を示しつつ、過度に媚びることのないバランスを心がけたのだ。

昔からの知り合いたちがわざわざ挨拶に来てくれ、杯を交わした。

両親は学識が豊富で、誰と話しても物怖じせず、会話には親しみと探り合いが自然に混じっていた。

彼らはこの場に初めて顔を出すので、互いに探り合うのも宴会の恒例行事といえる。

宴会が始まってから、小石里美が非常に豪華なドレスを着て、正面玄関から入ってきた。

彼女が登場するや否や、すべての視線が彼女に集中した。

ドレスは幾重にも重なり、彼女が歩くたびに通路ができるほどだ。

このドレスは、以前、私の誕生日に母が買ってくれたものを彼女が引っ張り出して着たのだろう。

半年ぶりに戻ってきても、こんなにも派手な登場をするなんて。

ここは授賞式でもないのに。

あんなに派手なドレスを着ていたら、すぐに座ることさえ難しいはずだ。

彼女は両親と従兄を連れて、まっすぐに三木晴人のいる方向へ向かっていった。

その巨大な存在感に三木晴人は無意識に一歩後退した。

彼女が近づくと、母が私を見つけ、早足でやってきて私の肩を叩いた。

「小石絢音、半年も家に帰らないなんて、私を母親と思っていないのかい!」

私は急いで肩を揉み返し、母に大きなハグをした。

「そんなことないよ。新しい娘さんに場所を譲ってただけさ。お母さんが呼べばすぐに帰るよ」

母は目に涙を浮かべ、私の腕をつねって怒りをぶつけてきた。

小石里美はこの光景を見て、歯を食いしばった。

顔は前から見ると引っ込んでいるように見えた。

彼女の隣にいた従兄は、私に意味ありげな目配せをしてきた。

この半年、小石里美が小石家で何をしているか、私は従兄からこっそり報告を受けていた。

小石家の人々は、小石里美の存在が「ネズミの糞の一粒でお粥を台無しにした」ように思っている。

私が小石家にいた頃、家族は「やっと出てきた賢い子」として私を大事にしていた。

母は昔、社交を嫌い、おしゃれを楽しむことばかりに夢中だったし、父も商売では保守的だったため、小石家は他の家族との関係が疎遠になっていた。

しかし、私の世代になり、大学で作った人脈や三木晴人との関係で、ようやく小石家は再び本来の地位を取り戻していた。

ところが、
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