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第7話

小石里美は自分のイメージなど全く気にせず、三木晴人の背後に隠れながら、その腕を擦り続けていた。

三木晴人の顔は瞬時に険しくなった。

もともと穏やかだった場面が一気に騒がしくなった。

普段は退屈なこの社交界も、ゴシップがあるとなれば誰もが耳をそばだてたくなる。

小石家の人々は不快そうな顔をしながら、三木晴人に「一体誰が私の両親を招待したのか」と問いただした。

だが、私の実の両親は堂々とした態度で周囲の視線を受け止めた。

全くひるむ様子はなかった。

時間が経つとともに場は再び静まり返った。

皆、当時小石家が子供を産んだのは信頼のある私立病院であることを理解していた。

子供が取り違えられたのは病院側のミスであり、誘拐などではなかった。

白井家も普通の家庭ではなかった。

三木晴人は小石里美の手を振り払って言った。

「彼らを招待したのは僕だ。白井家は僕の婚約者の実家だ。来て何か問題があるか?」

その場にいた人々はすぐに察した。三木晴人は頭の悪い「実の娘」と婚約する気はなく、私という小石家の養女、いわば「偽の娘」に目をつけているのだと。

三木家は白井家に十分な敬意を示し、当然白井家が人身取引犯ではないことは明らかだった。

それを見た小石里美は悔しそうに私を指差して言った。

「私こそ小石家の娘よ。彼女がどうしてあなたの婚約者なの?彼女なんてただの普通の女で、あなたにはふさわしくない!」

静まり返った場で、実の両親がようやく口を開いた。

「里美ちゃん、私たちが君を20年間育てたというのに、そんな風に両親を見ていたのかい。君が家出をしてから、私たちはずっと君を探していたんだ。君が名門の娘だと知って、君の暮らしぶりを気にかけたけど、君は私たちが身分不相応だと言って断った。それなのに、今になって私たちを人身取引犯呼ばわりするのか?」

父も怒りを隠せなかった。

どこの親だって、自分の子供が取り違えられたことなど望まないのだ。

実の両親は小石里美をたっぷりと愛情を注いで育ててきた。幼少期、彼女はあまり賢くなく、白井家の子供らしさを感じさせなかったが、両親は彼女を見放さず、体面を気にしながらも大学に入れてあげたのだ。

それなのに、彼女は自らの道を踏み外し、大学を出てから既婚者の男性と付き合うために家出し、最終的に捨てられてウェイトレスになってしまった
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