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第17話

凛子を妬む榎本月香と、すでに後悔し始めていた林佑樹を残して彼女は去っていった。

家に帰って昼食を済ますと、篠崎暁斗は仕事に向かった。

吉沢凛子が服を脱いでクローゼットになおしたところで弟から電話がかかってきた。

弟は数日前に彼女の両親に会いに行き、40万もする腕時計をプレゼントされたらしい。

そして今日は彼女の誕生日だから、ちゃんとしたプレゼントを送りたかったが、まだ大学を卒業していないのでお金がなく、吉沢凛子にお金を借りたいと言ってきた。

吉沢凛子は弟の蒼真から聞いて、一年以上付き合っている彼女がいると知っていた。二人の仲はまあまあ良いようだ。

でも、彼女はお金を全て手術費に使ってしまって、蒼真に貸せるようなお金はどこにも残っていなかった。

吉沢凛子は買って間もないブレザーを見ながら、吉沢蒼真に彼女の身長と体重を聞いて、その彼女が着られるサイズだと分かった。

そして、吉沢凛子は蒼真と相談し、買ったばかりのこの服を弟の彼女に誕生日プレゼントとしてあげることにしてしまった。

初め吉沢蒼真は断っていたが、凛子も経済的に厳しいことを理解していて林佑樹からちょっとお金を借りたいと言い出したが、この二人はもう別れた後だったのだ。

結局仕方がないので、吉沢蒼真は凛子の申し出を受けるしかなかった。そして、時間と場所を決め、吉沢凛子はこの服を弟のもとに持って行ってあげることにした。

午後1時半、吉沢凛子はアステルテクノロジービルの入口で吉沢蒼真に会った。

吉沢蒼真は彼女がアステルテクノロジーの受付として働き始めたばかりだから、今日彼女に会いに来たと言っていた。ちょうど誕生日プレゼントも渡すことができる。

吉沢凛子は服とレシートを蒼真に手渡した。

レシートに書いてある金額を見て、吉沢蒼真は驚いてしまった。まさか自分の姉がこんな高価な服を買ってしまうとは思っていなかったのだ。

吉沢凛子は彼に何も説明せず、自分のやることをちゃんとやって、時間がある時におばあさんに会いにいくように伝えた。

篠崎暁斗はちょうど顧客と一緒に朝食をとり、車を運転して会社に戻ってきた。遠くから吉沢凛子と若い男が一緒に会社の入り口にいるのが見えた。

吉沢凛子は、時折若い男の襟元を親しそうに整えてあげていた。

そして、吉沢凛子が男に手提げ袋を手渡すのも目撃してしまった。その袋には見
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