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第22話

吉沢凛子からそう聞くと、おじいさんは、やはり自分は人を見る目があったのだと確信した。しかし、同時に篠崎暁斗が、もしこのような女性を逃してしまったら、きっと深く後悔するだろうと気がかりだった。

この時、吉沢凛子の携帯に大沢康介から電話がかかってきて、手術前に親族がサインをする必要があると伝えた。

吉沢凛子は、今朝頼んでいたのに弟の蒼真が来ていないことを今になってようやく知った。

おじいさんは吉沢凛子が焦っている様子を見て、自分は一人でここで待っているくらいなら大丈夫だから、先に彼女の用を済ませるように言った。

国際部門の病棟はおばあさんが入院している棟からそんなに離れていない。吉沢凛子は早く済ませてこようと思い、看護師におじいさんのことを任せてそこを離れた。

おばあさんの手術はリスクがとても大きいので、大沢康介はできる限り詳しく彼女に説明し、いつの間にか30分も過ぎていた。

突然、催促の電話が鳴り響いた。

吉沢凛子は急いでその電話に出た。こちらから何か言う前に、篠崎暁斗の冷ややかな声が聞こえてきた。

「今どこにいるかは知らないが、5分以内に来なかったら、今後二度と帰ってこなくていい」

そう言うと、篠崎暁斗は電話を切った。

吉沢凛子は立ち上がると外へと駆け出した。彼女は篠崎暁斗の怒りが込もった声を聞き、おじいさんに何かがあったのだと悟った。

大沢康介は何が起きたのか分からず、すぐ彼女の後を追った。

二人は息を切らしながら国際部門の病棟へやってくると、篠崎暁斗が救急室の入口に立っていた。

「おじいさん、どうしたんですか?」吉沢凛子は慌てて尋ねた。

「どこに行ってたんだ?」篠崎暁斗は暗く冷たい顔つきだった。「じいちゃんのことは君に任せただろ、なのに放ったらかしにして。さっき待合室で倒れたんだ。もし俺が来るのが遅かったら......」

「ちょっと離れただけなのに、どうしてこんなことに?」

「ちょっと離れただけ?看護師は君は40分は離れていたと言っていたぞ」篠崎暁斗の目は少し赤くなっていた。「吉沢凛子、責任を持てないなら、結婚前にはっきりと言うべきじゃないのか」

「失礼ですが、このような突発的なことは誰も予想なんてできませんよ。全ての責任を凛子さんに押し付けるべきではないと思いますが」と大沢康介は少し興奮した様子で言った。

篠崎暁斗は冷たい目
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