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第19話

相田おばさんは少し困ったような様子で口を開いた。「こんな時に言うのはちょっとどうかと思うんですけど、でもこの仕事は本当に疲れるんです。だから、給料がここより多くて、やることも少ない家に移りたいと思ってるんですけど」

吉沢凛子は少しあっけにとられた。

相田おばさんが給料を上げてほしいと言っているのか、それとも本当にここを辞めたいと思っているのか、すぐには判断できなかった。

「どこか他に見つかったんですか?」

相田おばさんは首を横に振った。「いまのところ何軒か条件が良いご家庭があるんですけど、まだどこに行くかは決めていないんです」

相田おばさんはちょっと話を止めて、また話し始めた。「篠崎家で働いてもう3年経ちますけど、ずっとお給料は変わらずです。本来はおじいさんのお世話をするだけで良かったんですが、今はあなたと篠崎さんも一緒に住むようになって、仕事量が増えたんです。だから、吉沢さん、篠崎さんと相談して、私のお給料を上げてもらえませんか?」

「どのくらい上げてほしいんですか?」

「今あるご家庭は月に30万くれると言っているんです」

吉沢凛子は少し口角を上げ、ニヤリとした。

「相田さん、私に対して何か言いたいことがあるのでは?」

「吉沢さん、どういう意味ですか?」

「相田さんの記憶力はあまりよくないみたいですね。私がここへ来てすぐ、私にこれからは一日三食を担当するように言ってきましたよね。あの時の私の態度が悪かったことは認めます。その後、私は篠崎さんからあなた達が交わした家政婦サービスの契約書をもらいました」

その契約書にははっきりと全ての家事、一日三食の食事も含まれると書いてあった。おじいさんの世話をするだけだとは全く書かれていなかったのだ。当時、篠崎暁斗のおばさんも一緒にここに住んでいたと聞いたから、今人が以前よりも多くなったとは言えないはずだ。

相田おばさんの顔はこわばった。

「吉沢さん、あなたが言っていることは事実です。でも、あなたが来る前におじい様にお給料について相談していたんです。そして篠崎さんが結婚するから、奥さんに彼のお世話をしてもらって、私の負担を減らすと言ってくれていたんです。

それから吉沢さんがやってきました。あなたがこの結婚を受け入れたということは、おじい様のお世話をするのにも納得されたわけでしょう。これでも、あなたに三
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