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第3話

「赤ちゃん、おむつ濡れてないか?」清潔感のある男性の声が響いた。

篠崎玲子の顔が一瞬で赤く染まり、「ちょっと見てみるわね」と言って、急いで私のおむつを確認した。「赤ちゃん、とってもお利口さん!濡れてないわ!」

「きゃあっ!」

彼女は突然悲鳴をあげ、私をそのままベッドに放り投げた。

私はすぐに大声で泣き出した。

男性が一歩で駆け寄り、私を抱き上げて優しくあやしながら、「大丈夫だよ…泣かないで、パパがいるよ」と静かに言った。

そして、振り返って篠崎玲子に向かって怒鳴った。「なんで赤ちゃんを投げるんだ!」

篠崎玲子は慌てて自分の顔を指さし、「だ、だって彼女が私におしっこをかけたのよ!」

「彼女はまだ赤ん坊で、自分を制御できないんだ。お前も制御できないのか?」

「こんな調子じゃ、母親として失格だろ。赤ちゃんが小さいのに、そんな扱いしたらどうなるんだ?お前に子供を任せるなんて到底無理だ!」

篠崎玲子はすぐに涙目になり、困ったような顔で、「わ、私はわざとじゃないのよ!」と訴えた。

だが、男性は顔を険しくし、冷たく言った。「今日からお前のカードは止める。この期間中、ちゃんと子供の育て方を勉強しろ。どこにも行かせないし、買い物なんか絶対禁止だ!」

私は男性の厳しい表情を見上げ、そして篠崎玲子が涙目で何も言えないまま困り果てている顔を見て、心の中が一気に晴れやかになった。思わず笑いがこぼれた。

まさか、このお父さん、こんなにも頼もしいとは!

まさか、あの篠崎玲子が結婚後、夫にこんなにも厳しく管理されているなんて。お金すら自由に使えないとは。

学校では、あの篠崎玲子は一番手に負えない存在だったのに。

今のこの状況、まさに「因果応報」じゃないか!

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