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第123話

各プラットフォームの公式ライブ配信では、コメントが飛び交っていた。

「正直言って、山口清次は本当にハンサムだよね」

「彼はただのクズ男だ」

山口清次の後に山口家族企業の幹部が相次いで紹介され、その次が由佳だった。

ネットで最も広まっている由佳の映像は、病院の近くでメディアに捕まってインタビューを受けているものだった。

カメラ映りでメイクが薄く見えて、その時の由佳は顔色が悪く、さらにビデオの画質も良くなかったため、歩美のルックスと比較されていた。

しかし今回は由佳が正式にメディアの前に立った。

彼女は次にブランドのスポークスパーソンとしてステージに上がり、製品を紹介し、ゲストと交流する予定だった。特別にスタイリングとメイクを施し、カメラの前でも眉目が整い、落ち着いた様子を見せていた。

由佳が登場すると、コメント欄は大混乱となった。賞賛する声もあれば、批判する声もあった。さらには彼女が歩美よりも前に紹介されることに不満を持つファンもいた。

発表会の熱気は高まり続け、コメントは止まることなく流れた。

その混乱は歩美が画面に映るまで続いた。歩美のファンが応援コメントで画面を埋め尽くし、流れを変えた。

最初の二つのセクションは挨拶で、公式代表者と山口清次がそれぞれステージに立った。

公式代表者がスピーチを終えた後、司会者が登壇し、「次に、山口家族企業の総裁である山口清次さんにスピーチをお願いしましょう」と紹介した。

カメラが山口清次に向けられ、彼は襟を整え、立ち上がった。スーツ姿で堂々とした姿勢、精悍な顔立ちでステージに向かって歩き、司会者からマイクを受け取った。彼は原稿を見ずに話し始めた。

「皆さん、こんにちは。山口清次です。本日は皆さんと一緒に、山口家族企業グループのブランドMQの秋冬新作の誕生を見届けることができて光栄です。この場を借り、全社員を代表して皆さんに感謝の意を表します」

彼の声は落ち着いていて、自信に満ちていた。スポットライトの下で、一流のリーダーとしての風格を放ち、観客の注目を集めた。

このようなスピーチは彼にとっては朝飯前のことだった。

ニューヨークのウォール街での英語スピーチがネットで話題となり、山口清次の素性が明らかになって多くのファンを獲得した。

スピーチを終えた山口清次はお辞儀をしてステージを降りた。

司会者
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