第124話

司会者は興奮して言った。「今日は本当に運がいいですね。最初の抽選で山口清次さんが当たりました。どうぞステージにお越しください。」

メディアはカメラを構えて、フラッシュが次々と焚かれた。

ネットユーザーは狂ったようにコメントを送り始めた。

「これ、めちゃくちゃ嘘くさい。」

「どうせ仕組まれたんだろ？」

「これは面白い展開になりそうだ。」

山口清次は立ち上がってステージに上がった。

「インタラクティブセッションを始める前に、簡単なインタビューを行います。山口清次さん、今夜の最初のインタラクティブゲームが何かご存知ですか？」

「いいえ、知りません。」山口清次は首を横に振った。

彼は本当に知らなかったのだ。

山本家族企業グループは多岐にわたる業種に関わっており、ブランドも多いため、彼はしばしばこのようなイベントに参加しなければならず、すでに慣れていた。以前はステージに上がってスピーチをした後、すぐに退場してしまうことが多く、イベントの全体の流れを詳しく知らなかった。

「では、由佳さんとのインタラクティブがあることはご存知ですよね？まず、由佳さんについての印象を教えてください。」

山口清次は隣にいる由佳を一瞥し、「由佳は非常に優れた能力を持っています。もし由佳がいなければ、MQは今日の成果を達成できなかったでしょう。ここで心から感謝の意を表したいと思います。」

司会者は咳払いをして、わざと観客のメディアたちを見渡した。「山口清次さん、私たちが聞きたいのはそれではありません。」

山口清次は司会者がそれを問い詰めるとは思わず、由佳を一瞥した。

司会者の進行台本は内部のスタッフが書いたもので、突然の質問は予定ではなかった。つまり、この質問は、由佳の指示によるものだった。

山口清次はもちろん由佳の目的を理解していた。彼らの関係を利用し話題に呼応して、熱を上げるためだ。

男女のスキャンダルは最も注目を集めている。特に、歩美がまだステージ下に座っている今、監督はさらに歩美にいくつものカメラを向けた。

司会者の質問に、メディアは全力で写真を撮り、ライブ配信を見ているネットユーザーも興味津々で見守っていた。発表会の熱気は非常に高く、各プラットフォームのトップに表示されていた。

山口清次は一瞬の沈黙の後、「由佳は聡明で気がきく人です。」と答えた。

これは