共有

第125話

由佳は山口清次と目を合わせ、針に糸を通すゲームを開始した。

山口清次は針を咥え、針の穴を由佳の糸の端に近づけた。由佳も彼に協力した。

二人の額はほとんど触れ合い、鼻先が擦れ合うほど近づいており、雰囲気は非常に親密だった。

カメラマンは二人の顔を意図的にクローズアップした。

不意に、二人の唇が擦れ合った。

この瞬間、ディレクターは歩美の姿をカメラに収めることを忘れなかった。

コメント欄は狂ったように流れ続けた。

このゲームはかなり難しいものだった。

何度か成功しそうになったが、いつもあと一歩のところで失敗してしまった。

「この女、わざと失敗してるんじゃないか?」

「こんなに親密なんだから、きっと裏でも何かあるんだろうね。」

「ただのゲームだし、そんなに大げさにすることないでしょ?」

大画面にはカウントダウンが表示され始めた。

ついに、最後の数秒で糸が針の穴を通った。

ゲーム成功だ。

「山口清次さんと由佳さん、おめでとうございます。罰ゲームを免れましたね。では、山口清次さん、少し休んでください。次のインタラクティブゲストを抽選します。」

大画面が再び回転し、予想通り歩美が選ばれた。

「これ絶対に仕組まれてるよ。」

「企画者、さすがだね。」

みんなの注目の中、歩美がステージに上がった。

カメラは歩美と由佳の同じフレームを映し出した。

誰も予想していなかったが、意外にも和やかに見えた。

しかし、コメント欄は喧々囂々としていた。

司会者はまず歩美に簡単なインタビューを行った。「歩美さんはMQの代言人として知られていますが、これは帰国後初の代言ですね。どういう経緯でこの仕事を得たのですか?特別なエピソードはありますか?」

歩美は答えた。「特別な経緯はありません。双方の意向が一致したので契約しました。」

「ネットでは山口清次さんのおかげでこの代言を得たという噂がありますが、どう思いますか?」

この質問は非常に率直だった。

歩美は一瞬山口清次を見て、微笑んで言った。「そんなことはありません。」

司会者はニヤリと笑って、「分かりました。」

カメラに向かって、「視聴者の皆さん、分かりましたか?」

コメント欄には「分かった」とのメッセージが溢れた。

しかし、歩美の熱心なファンは怒った「この司会者、何なの?歩美が否定しているのに
ロックされたチャプター
この本をアプリで読み続ける
コメント (1)
goodnovel comment avatar
yas
いや、わざとらしすぎるだろー笑笑笑 もうちょっと間に誰か挟むとかしなよ(笑)
すべてのコメントを表示

関連チャプター

最新チャプター

DMCA.com Protection Status