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第3話

結局、彼は私が死んでしまえばいいと望んでいたのだから、

最後に思いっきりびっくりさせようか。

「ダイエットの話してない!お前が飢えて死んでしまえばいい!」

小舟茂は軽く鼻を鳴らし、お湯を一杯注いでテーブルに置いた。

「お前を見て反吐が出る、戻ってくるべきじゃなかった!」

彼は私と同じ部屋にいるのが嫌そうで、新しく注いだお湯さえ飲むのを忘れていた。

彼がスーツの上着を取って、急いで別荘を出て行くのを見て、私への嫌悪感と避ける様子が伝わってきた。

こんな日々を六年間も過ごしてきた私は、一体どうやって耐えられてきたのだろうか。

ガラスのコップに揺れる波紋を見つめながら、私は耐えきれずに少し飲んでみた。

やはり馴染みのある温かさだった。

その瞬間、視界がぼやけた。

実は自分でもわからない。別れた後の小舟茂への変わらぬ追い求めが、一体何のためだったのか。

泥沼の深い場所での助けの手がほしいのか、困難の中で話せる相手がほしいのか……

小舟茂が私に一年間の甘さを与え、そのおかげでこの六年間の苦しみを乗り越えた。

突然の肝臓癌がなければ、私は本当に彼を愛し続けるかもしれない。

しかし、私は死に近づきながらも、まだ彼を愛し続けたい。

まるで自分で織り成した甘い夢のように。

黄泉の道でさえ、私は誇らしく言える——

私は最も真摯な愛を持っていたことを。

4

再び小舟茂に出会ったのは、病院の婦人科でのことだった。

私は親友の志摩彩実と一緒に産婦人科の検査に来ていた。

そして彼は婚約者の小見川美穂と一緒にいた。

私はまるで光を避ける陰気なネズミのように、隠れる場所を必死に探した。

しかしその姿はあまりにもみっともなく、周囲の人々が精神病者を見るような目で私を見ていた。

中にはわざわざ遠回りして私を避ける人もいた。

だが、私はこれらの異様な視線に気を取られる暇もなく、頭の中は小舟茂が小見川美穂に優しく微笑んでいる姿でいっぱいだった。

幸せそうな笑顔を彼の顔に久しぶりに見た気がした。

彼はいつも冷たい顔をして、声も冷静だった。

仕事始めたら誰もがこんなに冷たくなると思っていたが、それは間違いだった。

小舟茂は私にだけこのような態度をとっていた。

彼が去ったかどうか確認しようと顔を上げたとき、ちょうど小舟茂と目が合ってしまった。

彼は眉をひそめ、その後すぐに別の窓口に行った。

彼は私を見たが、私のところには来なかった。

私はいつも自分がとても不器用な人間だと思っていた。

何が欲しいかを自分から言いたくないが、本当に何もなかったら一人で勝手に拗ねる。

この点は母でさえも気づかなかったが、小舟茂と恋愛していた一年間で、私は彼に姫のように扱われていた。

彼は私のわがままを甘やかし、私が口に出さなかったことを一つ一つ目の前に置いてくれた。

初めは幼少期に持っていなかったバービー人形、次は輝くプリンセスドレス……

かつては私を全身で愛してくれた少年、どうして忘れられるだろうか?

また痛みが始まった。

志摩彩実が産婦人科の検査を終えて、椅子に座っている私を見て、再び涙を流して心配してくれた。

「詩織、頑張って、赤ちゃんの顔はまだ見てないのよ」

彼女の膨らんだお腹を羨ましく見つめ、自分の平らなお腹を暗い目で見た。

ここにもかつて「生命」という名の種があった。

しかし、結局私の中で実らなかった。

「彩実、泣かないで、妊婦は泣いちゃダメよ」

私は彼女の涙を拭い、

「そのためにでも、私はもう少し長く生きなければならないわ」と言った。

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