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第13話

前世と今世の記憶が頭の中で交錯し、まるで私は綿の上を歩いているかのようだった。

家に帰ると、急いで身支度を整えてベッドに入った。

柔らかい布団に身を委ねると、次第に眠りに落ちていった。

部屋のドアが少しだけ開き、誰かが入ってきた。

まるで……

私は、前世で自分が死んだ後の出来事を夢に見た。

私が死んだ後、私と母の遺体は藤田浩介によって引き取られ、

二つの小さな骨壷に納められ、彼のリビングに置かれていた。

藤田はひどく落ち込んでいるようで、

会社の業務は全て助手に任せ、毎日私の骨壷を抱いてひとりごとを言っていた。

ほとんどの時間、彼はただぼんやりと壷を見つめていて、何を考えているのか分からなかった。

夜が更けると、彼は静かに壷に顔を押し当て、犬のように悲しげに泣いていた。

その一方で、林拓也と坂本笙子が香川家の財産を分け合ったというニュースを耳にし、藤田は再び立ち上がった。

彼はあらゆる手段を駆使して、二人と他の企業との協力を次々と潰し、ビジネスの世界で二人を徹底的に追い詰めた。

手のひらで弄ぶように、彼らをすぐには潰さず、じわじわと苦しめた。

この反復的なプレッシャーにより、林拓也はギャンブルに溺れ、

やがて巨額の借金を抱えた。

借金取りに追い詰められた彼は、売れる臓器を全て売り払ったが、感染症で命を落とした。

林拓也の死後、坂本笙子は完全に狂い、

藤田浩介によって精神病院に送り込まれ、長年にわたって精神的な拷問を受け続けた。

藤田は私の骨壷を持ち歩きながら、

かつて私が「絶対に行きたい」とSNSに投稿していた場所を巡り、旅をした。

最後の目的地を訪れた後、藤田は壷を大切そうに唇で触れた。しかし、その日はいつものように帰路につくことはなかった。

彼はロープで壷を腰にしっかりと結び、顔は青ざめ、まるで解放されることを望んでいるかのようだった。

一歩また一歩と、深海へと向かって進んでいく。

「柚木、もう一度やり直せるなら、今度こそ君の手を先に握るよ」

私は藤田と一緒に海の深くへと沈んでいく。彼の顔はすでに青白くなっていたが、その白くて長い手は、壷をしっかりと握り続けていた。

心臓が誰かの手で締めつけられるように痛み、息もできないほどだった。

しかし、気づく間もなく、場面はまた変わった。

生活感が漂う賑やかな裏通り
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