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第5話

ここ数日、意図的に誘導された結果、関連するタグの投稿は瞬く間に大きな話題となった。

クリック数と閲覧数は急激に増加し、コメントや「いいね」も倍々に増えていく。

その時、私のスマホが激しく鳴り響いた。

画面を見ると、見覚えのある番号だった。

通話ボタンを押すと、すぐに録音モードを開始した。

すると、電話の向こうから怒りに満ちた林拓也の叫び声が聞こえてきた。

「香川柚木、お前は正気か?笙ちゃんを潰す気か!」

「ダブルスタンダードも大概にしろよ!彼女が投稿してネットいじめを誘導するのは許されて、俺が事実を説明するのはダメなのか?」

「ただの投稿だろ?お前、実際には何もされてないじゃないか!今すぐこの投稿を削除しろ!」

「やっぱり投稿者は本人だったんだね」

そう言って電話を切ると、その録音と以前に調べたIPアドレスを一緒に投稿に添付して公開した。

すると、コメント欄は再び活発になった。

「この坂本笙子マジで笑えるな。自分で無関係なふりして投稿して同情を誘おうとするなんて何の作戦?」

「それに、香川柚木は何も彼女に対してひどいことしてないじゃん。プライド高すぎて、援助を断られたら逆ギレしてるだけじゃん」

「そうそう、姜柚木が彼氏を奪ったって?当時付き合ってたのはどう見ても姜柚木と林拓也だったじゃん」

「この林拓也って、他人の金で生活して、愛人にまで金使ってるって、マジで最低だよな」

「彼女から金を巻き上げて浮気相手に使うなんて、マジで泣けるわ」

藤田浩介が私の手に触れて、現実に引き戻された。

「三つ目の資料、今出す?」

私は彼に目を向け、少しだけ目を細めて言った。「まだ待ってて」

10分後、林拓也がコメント欄に現れた。

誰かのアドバイスを受けたのか、彼は急いで否定や言い訳をせず、むしろ情熱的で誠実な謝罪と坂本笙子への擁護を投稿してきた。

彼が伝えたいのは一つのことだけ。「過去のことは謝罪するけど、俺たちは良い人間なんだ。1回責めたら、もう2回目は責めるなよ?」

それに共感し、彼を許す人も少なからず出てきて、彼らを擁護するコメントも増え始めた。

私は一言も言わず、藤田浩介を見つめた。彼はすぐに私の意図を察した。

三つ目の資料を公開した時、それはまるで水底に沈んだ爆弾が炸裂したかのように、彼らを擁護していた人々の共感を吹き飛ばした
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