闇夜に走るは1台の漆黒のスポーツカー。 そう、俺【月神 守(つきがみ まもる)】は大学の親友達と車で深夜の山中をドライブの真っ最中なんだよねー! 俺の隣の助手席に座っている女性が「わあ、夜風がひんやりとして、とても気持ちいいですね……」と、呟きこちらを見つめる。 彼女の名前は【風見 スイ(かざみ すい)】さん。 気になった俺は隣をそっとチラ見する。 するとスイさんは夜風に静かになびくセミロングの銀色の髪に手をそっと当て、サファイアのように澄んだ青い瞳でこちらを見つめ返し、ほがらかに笑っていた。 童顔を感じさせる二重の大きな瞳。それを強調させる細長い眉。彼女の小柄な体形と血色の良いもち肌。そしてふっくらとした丸みを帯びた顔と胸に俺は小動物的な癒しを感じてしまう。(それに、紺色のギャザーワンピがまた超似合っているんだよなあ) 俺はそんなことを考えつつも、「ですよねー!」と力強く返事し、ウンウンと頷き自身を納得させていた。 あ、で、話はドライブに戻るんだけど、実はこのドライブには目的があるんだ! 結論から言うと、なんと「スイさんへの告白をかねて」のドライブデート中なんだよね。 情けない話だけど、親友にお膳立てしてもらって現在に至るわけなんだけど。(いやー、ホント持つべきものは良い友……) 「風も気持ちいいけど、俺ともっと気持ちいいことしませんか? なーんつって!」 「……」 後部座席から訳の分からない言葉が聞こえ、その後静かなエンジン音が車内に響き渡るのが分る。(こ、こいつっ! まじかっ⁈ この空気、い、色々と、台無しだ) だからか、俺の額にじんわりと変な汗が滲み出てくるのが分る。 えっとですね、今後部座席から訳の分からない人語を発した奴。 コイツが色々お膳立てしてくれた悪友の【星流 学(ほしながれ まなぶ)】。 学は御覧の通りパーソナルスペースというものは一切ないおバカ。なので、剛速球な会話を得意とし、両手を広げ土足で人の心の領域に踏み込んでくる。 体の線は細いが馬鹿力。かつ武道の実力は相当なもので空手の師範代持ちだったりするんだよね。(他人を思いやる優しい一面もあるんだけど……) 俺は深いため息をつき、カーミラー越しにそっと後部座席に座っている学を覗き見る。(こうやって改めて見ると、性格に反して顔と雰囲気は整った
Terakhir Diperbarui : 2025-02-15 Baca selengkapnya