俺は涙を拭いながら、急いで腰に下げていた愛用の魔法剣を抜剣する。(魔王スカード達は何処だっ!) 俺は素早く魔王スカードとサイファーを見つけれたが、驚いた事に浮遊魔法で遥か上空に浮ている⁈「チャンスよ、守さん! コンヤニはもう足が使えないから、戦力半減よ!」 雫さんは魔法の弓に矢をつがえ、力強く叫ぶ!「え? どゆこと?」 「さっきサイファーが使用した高速移動『雷虎疾風』は魔法無しでも使えるんだけど、魔法無しで使うとその反動として足が歩けないくらいボロボロになるのよ」(そ、そうか! 『天罰の涙』が効果を発揮出来ればザイアード側の勝利は確定だっただろうから、サイファーは賭けに出てた訳か!) サイファー、見た目は強面のトラ頭の亜人だけど中々知恵が働く大胆な奴だ。 が、『天罰の涙』の効果が相殺されたのは魔王スカード達にとっては大いなる誤算だったのだろう。 ということでだ……。 俺は剣の切っ先を頭上にいる魔王スカード達に向け、大声で叫ぶ。「覚悟しろ、魔王スカードっ!」「……クク、これは少々俺達が不利かもしれんな……」 「……少々? ふざけるな! お前の負けは確定している魔王スカードっ!」「クックック……。守、お前やはり面白い。そして俺にとって最高の存在だ……!」 魔王スカードは不敵な笑みを浮かべ、遥か上空から俺達を見下しているが……? 奴のこの余裕、決してブラフとは俺は思えない。(まだ奴らには何か切り札的な物があるというのか……?)「サイファー、余興だ……。久々にアレをやるが魔力はまだあるか……?」 「ははっ! スカード様っ! いけますっ!」 魔王スカード達は上空にいるまま横並びになり、それぞれ両手を自身の胸元の心臓の位置に当てる。「我スカード汝と契約せしもの……」 スカードの声がその場に朗々と響き渡る……。「我サイファー主と契約せしもの……」 更にはサイファーもそれに習い魔王スカー
Last Updated : 2025-03-30 Read more