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第42話

新生がアジアパフュームの子会社に過ぎないことはさておき、親会社での立場も定かではない。さらに、今のところ新生側から美緒を擁護する声も上がっていない。

直美はまだ不安を感じており、新崎哲也の度重なる催促もあって、会社に戻り美緒のために状況を探ることにした。

美緒は正式に新生に出社した。

以前から話は進んでいたが、契約はまだ交わしていなかった。昨日約束した時間に従い、今日が初日だった。

耀介の言葉を借りれば、まずは環境に慣れ、それから正式に入社するということだった。

彼女の強い主張により、耀介はあまり介入せず、峰男に手配を任せた。しかし、それでも彼女はこの契約が平穏無事ではないことを分かっていた。

オフィスエリアを通り抜け、新生の社長室に直行すると、すでに三人が待っていた。そのうち二人は見覚えがあった。

「失礼いたします」

中央に座っているのは新生の社長、山田幸雄だった。左側の男性は人事課長で、この二人は会ったことがあった。もう一人の女性は見知らぬ人だった。

美緒が来るのを見て、幸雄はすぐに立ち上がり、机を回って彼女に近づき、軽く肩に手を置いた。「水野さん、新生へようこそ!」

「山田社長、丸山さん、よろしくお願いいたします」彼女は礼儀正しく挨拶し、目を女性に向けて留めた。

「紹介します。こちらは我々のプロジェクト部の課長、大西由紀です。実力者です。今後うまく協力してくれることを期待しています」幸雄は笑顔で言った。

「大西課長、今後ともよろしくお願いいたします」美緒は挨拶したが、直感的に、この上司はそれほど付き合いやすい人ではなさそうだと感じた。

案の定、由紀はわずかに頷いただけで、もう彼女を見ようとしなかった。「山田社長、我々のプロジェクト部は人手不足ではありません」

「人手不足ではないかもしれませんが、人材不足ですね!新生はまだ初期段階にあり、会社に利益をもたらす有能な人材が必要です。美緒は人材です。彼女をしっかり指導してください。これはプロジェクト部に新しい血を注ぐことにもなりますので」

幸雄のこの言葉は、由紀に拒否の余地を与えないものだった。

しかし、由紀は明らかに簡単には引き下がらない人物で、上司に反論さえした。「人材ですって?でも業界で私はこんな人物の名前を聞いたことがありませんが」

「あ、違います。二年前か三年前に、『鼻のな
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