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第7話

数日後、大学受験の結果が発表された。

 私が最初に知ったのは直樹の成績だった。

 彼は由美と付き合う前は、成績が学年のトップ30に入っていて、国際コンペで1位を取れば、ルネサンス美術院に進学するのも問題なかった。

 しかし今、彼の手は使えなくなっていて、高校3年生の一年間、ほとんど授業に出席せず、問題集も一度も解いていなかった。さらに、由美との雨の中のロマンティックな出来事も影響して、文系のテストはほとんど手を付けることができなかった。

 春子さんは私の母に電話して泣きながら、「300点以上しか取れなかった、400点にも届かない」と訴えていた。

 ルネサンス美術院や青峰美術大学はおろか、普通の大学にも入れず、専門学校に進むしかない状態になってしまった。

 由美は言うまでもなく、転校してきた日から、自分の美貌で芸能学校の試験には絶対受かると思い込んでいた。

 ところが、子供のことで足を引っ張られ、結局成績は200点ちょっとしか取れず、大学の入り口にもたどり着けなかった。

 春子さんは電話越しに泣き崩れ、嘆いていた。「神様、どうしてこんなことになったの?彼は以前は本当に将来有望だった、私たちも彼を制限していなかったのに、どうしてあの女の言うことばかりを信じるようになったの?」

 私の母は急いで春子さんを慰め、彼女はようやく少し落ち着いた。

 「菜乃の成績はどうだった?」

 母は一瞬黙り込んだ。春子さんからの電話を受ける前に、ちょうど東星大学の入試担当から連絡があったばかりだった。

 私の成績はまだ出ていなかったが、悪くないだろうと期待していた。

 「菜乃の成績はまだ出ていない」と母は言った。春子さんを刺激しないように気を使ったのだ。

 成績が遅れるのは、県内でトップ50に入った生徒だけだった。

 春子さんはしばらく黙っていたが、複雑な気持ちを抱えながら言った。「美恵、本当にあなたが羨ましいわ。

 直樹が菜乃の半分でもしっかりしていたら、よかったのに」

 その後、私の成績も発表された。

 思ってもみなかった、最高得点だった!

 「721」

 私は県のトップに立ったのだ!

 母は私を抱きしめて興奮しながら叫び、担任の先生からも電話がかかってきて、感動して涙を流していた。

 私は静かに、教科書や試験用紙が山積みの机に座って、涙が頬を
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