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第4話

私はこのことにはまったく興味がなく、時間を全てテストの問題を解くことに使っていた。分からないところは先生に聞き、両親が家庭教師を雇ってくれたおかげで、毎日放課後に基礎が弱い科目を特に勉強していた。

 模擬試験の後、成績が急激に上がり、学年でトップ10に入った。

 担任の先生が職員室に呼んで、肩を叩きながら誇らしげにしていたが、次第に残念そうな表情になった。

 「直樹と君はずっと仲良かったのに、残念だな」

 別の先生も無念さを表しながら言った。「いい素材なのに、あの由美は勉強せず、優秀な生徒を引き込んでいる」

 私は静かに職員室を出て、廊下を歩いていると、直樹と由美が一緒にタバコを吸っているのを見かけた。

 由美はオレンジの香りの煙を直樹の顔に吐き出してから、彼にキスをした。そして、自分が吸ったタバコを半分直樹の口に押し込んだ。

 直樹は由美のこうしたちょっかいに慣れているようで、上手に煙を吸い込み、吐き出していた。

 彼はいつもの白いシャツを着ておらず、由美と同じ派手な柄のTシャツに着替えていた。

 由美が私を見つけて、直樹を軽くつつきながら、私に顎を上げて合図した。

 「ほら、あなたの幼なじみ、挨拶もしないの?今や学年のトップ10に入ってるよ」

 直樹は私を一瞥し、まるで知らない人のように無関心な目を向けてきた。

 彼の薄い唇から出た言葉はただ一言。

 「つまらない!」

 由美は大笑いした。

 両親が直樹を放っておいた後、彼は完全に自由になった。

 数日前には、学校の不良と喧嘩までしていた。

 その不良は由美の元カレで、二人が一緒にいるのを見て、つい挑発してしまった。

 由美はこのことを我慢できず、直樹にその男を殴らせようとした。

 直樹も本当に彼女の言うことを聞いて、一発でその男の鼻を折ってしまった。

 春子さんが私たちの学校に二度目に来た。

 彼女は裕福な家で贅沢に育った奥さんだけど、先生や他の親に低姿勢で謝っていた。

 直樹はただ横に立って、由美の手をしっかり握りしめ、一言も口を開かなかった。

 春子さんは怒りのあまり何も言えなかった。

 担任の先生は見かねて立ち上がり、直樹を叱り始めた。

 「直樹、今の君はどうしたんだ?以前はとても優秀だったのに、どうしてこんな理不尽になったんだ?

 君の家は
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