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第15話

番外編(江村結衣)

「ねえ、結衣!最近知り合ったイケメンがめちゃくちゃカッコいいんだよ。今度会わせてあげるから、目の保養して!」

横で水島城也がジトッとこちらを睨んでいるのを盗み見しながら、私はこっそりと百合の腕をつついた。

「何よ結衣、どうしてつつくの?」

まったく私の意図を察してくれない百合は、呑気に話を続け、イケメンの話をもっと聞かせようとする。

城也が今にも怒って百合を部屋から放り出しそうになったその時、突然インターホンが鳴った。

「百合、ドアに出て!行ってきて!」

私は急いで百合にドアを開けに行かせ、嫉妬でむくれている城也の顔にそっとキスを落とした。

「ほら、もう怒らないで。百合を追い出したら、あとで絶対に口をきいてくれなくなっちゃうよ!」

私は笑いながらなだめた。

城也は鼻を鳴らし、何か言いかけたところで、志保がリビングにずかずかと入ってきた。

「おや、城也もいたのか?」

彼が意地悪く言うと、さっき落ち着きかけていた城也の顔がまた険しくなった。

「志保、わざわざ火を付けに来たのか?」

私は頭を抱えて呆れたように言った。

「いやいや、結衣の回復具合を見に来ただけさ。それと、ちょっと話があるんだ」

彼は悪びれもせず言った。

「わざわざ君が来る話って何?」

私は少し興味をそそられた。

「それはね……」

志保はわざと城也と、ちょうどドアから戻ってきた百合を見回して、追い出す気満々の表情を浮かべた。

私は呆れ笑いしながら、城也はさっさと百合を連れて二階へと上がっていった。

「ふむ、君の新しい彼氏は……なかなかいいんじゃないか」

志保は驚いたように言った。

「もういいから、さっさと用件を言いなさいよ」私は彼に冷ややかに視線を送った。

城也は確かに素敵だ。でも、その分、これからもいろいろと彼をなだめるのは私の役目になりそうだ。

「深澤修二、完全に狂ったらしいよ。彼は今、幻想の君と話し続けているそうだ。精神病院の部屋で、一日中、君のこと以外には反応しないんだ」

志保は私の顔色を見て、ほとんど反応がないことを確認すると、続けた。

「彼、白川雪奈を階段から突き落として、流産させたんだ」

「ほかの人の証言によれば、白川雪奈が何かしらの見返りを要求したが、深澤修二は彼女を無視し続けた。彼女が苛立って結衣はもう死んだと言っ
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