共有

第3話

疲れ果ててソファに横になり、うとうとしていた。

突然、胃に鋭い刺すような痛みとねじれるような激痛が走り、一日何も食べていなかったことに気づいた。

昼はほんの一口食べたもののすぐに吐いてしまい、夜はそもそも食欲が湧かなかった。

医者からは一日三食の軽い食事をしっかり摂るように言われていたが、さもなければ今すぐ深刻な症状が現れる可能性があるとも忠告されていたことを思い出し、苦笑せずにはいられなかった。

何か胃に入れようと起き上がりかけたその時、痛みが急に腹全体に広がっていった。

思わず苦しみの声が漏れた。

まるで腹全体がミキサーで刻み粉々にされているような耐え難い痛みで、私は再びソファに崩れ落ちた。

それは言葉にできないほどの痛みで、全身が反射的に縮まり、唇を噛みしめるうちに、口の中に血の味が広がっていた。

意識を失いかけるほどの痛みに耐えながら、無意識のうちにスマホを握り、緊急連絡先の一人目に電話をかけた。

着信音がしばらく鳴った後、ようやく繋がり、まるで永遠にも感じられる時間が過ぎたように感じた。

「修二、お願い、戻ってきて」

ぼんやりとした意識の中、自分の壊れたような、屈辱的な声が聞こえた。

「もしもし、どちら様?深澤社長をお探しですか?深澤社長は今お忙しいので、何かご用があれば私が伝えますよ」

電話の向こうから、どこか作ったような優しい女性の声が響いた。

私は絶望の中で目を閉じ、苦しい思いで電話を切った。今はもう、あまりの激痛に他に何かを恨む気力も残っていない。

雪奈のことも、一生愛し守ると誓った修二のことも、もうどうでもよかった。

結局、死にゆく者なのだから、もがくことに意味などない。

もう十分に惨めで、悲しみも味わった。

それなら、このまま終わりにした方がいいかもしれない。

ぼんやりとした思考が漂う中。

ふと脳裏に浮かんできたのは、白髪の父と母、遠くイギリスにいる友人の百合、そして学問と人生の先生であるエイリン。

私の絵『脱皮』も。

この世界には、修二以外にも私を気にかけてくれる人がたくさんいる。

こんなふうに終わらせてはいけない。

強く唇を噛みしめると、血の鉄臭さが少しだけ理性を取り戻させてくれた。

震える手で二人目の緊急連絡先に電話をかけた。

――プルルルルン

活気ある着信音がわずか二秒鳴ったところで、すぐに応答があった。

最後の力を振り絞り、意識が遠のく前に、最後の言葉をつぶやいた。

「――私は家にいる…助けて…...」

関連チャプター

最新チャプター

DMCA.com Protection Status