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第5話

志保と素香が去った後、再び眠りに落ちてしまった。

私は、夢の中であの鮮やかで美しい日々に戻っていた。

初めて修二のことを聞いたのは、中学二年生の頃だった。

彼が転校してきて以来、他を圧倒する成績で学年トップを独占し続け、第二位など到底及ばない成績を収めていたからだ。

その頃、私の中にあったのは、ただ学年一への憧れと好奇心だけだった。

二年生の後期、私は体育館の壇上でスピーチをする修二を見つめ、彼の冷静で落ち着いた雰囲気と、冷たくも品のある顔立ちに、耳が赤くなるのを感じた。

両親に甘やかされて育った私は、すぐに勢いよく彼に笑顔で連絡先を聞きに行った。

けれども、修二は冷たく一瞥をくれると、「僕は恋愛に興味がない、ごめん」とだけ言って、私を避けるように去っていった。

私はその場で顔を赤らめてしまった。

しかし、負けず嫌いでわがままな性格が顔を出し、私は密かに、いつかこの学年一の彼を驚かせてやると誓った。

それから、私は修二の“付きまとい”になった。

休み時間になると彼の教室に駆けつけ、放課後には彼を追いかけて帰宅するまで見送り、週末には偶然を装って何度も彼の前に現れた。

彼のことを知れば知るほど、最初はただ顔が好きで意地になっていた気持ちが、次第に本当の想いと好きという感情へと変わっていった。

私は修二の冷静さと理知的なところが好きだった。

彼の礼儀正しさと、ふと見せる優しさが好きだった。

彼のひたむきさと向上心が好きだった。

彼の芯の強さと鋭さが好きだった。

そして、困難な状況に置かれても、心の中に不屈の優しさと消えない希望を宿すその姿が好きだった。

……

私は、深澤修二が好きだった。

彼のすべての素晴らしいところも、不完全なところも、全部好きだった。

修二が「成績の悪い子は好きじゃない」と言ったのを口実に、苦手な勉強にも必死に取り組んだ。

彼を助けるため、何年も貯めてきたお小遣いを全て校長に渡し、彼が必ず受賞できるような賞を作ってもらった。

彼のために、すぐに爆発しそうな短気やプライドを抑えることも覚えた。

修二が毎朝朝食を食べられるように、誰よりも早く登校し、彼の机にこっそり彼の好きな焼そばパンと豆乳を置いて、「余分に買ったから、無駄にしないでね」と書いたメモを残しておいた。

……

修二の素晴らしさを知るうちに、私は次第に、彼に直接迷惑をかけることを控えるようになった。

少年は、遠くの澄んだ月のような存在で、私は月を仰ぎ、月光に心を奪われ、邪魔をする雲を払おうとすることはできた。

でも、輝く月を手に抱きしめようとするのは、あまりに無謀で貪欲すぎる。

だから、私は修二にもう絡むことをやめ、影からできる限りのサポートをすることにした。

私がしてきたすべては、長く密かに守るつもりの、私だけの甘く静かな秘密だと思っていた。

自分の心からの献身で、私だけの秘密だった。

しかしある日、家に帰ると、まるで私の月である彼が、突然怒って私を待ち伏せしていた。

彼は言った。「なんで来なくなったんだ?」

私はその場で呆然と立ち尽くし、気づくと彼が私を抱きしめていた。

「バカだな、君は」

彼は指で私の額を軽く叩いた。

「私はバカじゃない!」

まだぼんやりしている中、私はただ反射的に反論した。

修二は私の髪をぐしゃぐしゃに撫で、優しくも輝く笑顔を見せてくれた。

「こっそりやっておいて、僕にバレないと思ってたのか?それをバカと言わずに何と言うんだよ、おバカさん!」

「全部知ってたの?じゃあ、今……」

驚きのあまり、私は驚いて思わず声を上げ、反射的に彼の腕から逃げ出そうとした。

でも、彼はさらに強く私を抱き寄せた。

そして、頭の上から彼の緊張した低い声が聞こえてきた。

「今、江村結衣、僕は君が好きだ。僕の彼女になってくれるか?」

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