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第16話

りさは結局、事故に巻き込まれてしまった。

彼女は男たちと一緒にレースを楽しんでいたが、その結果として事故が起きてしまった。

彼女の最期の瞬間、私は急いで病院に駆けつけた。

「小羽、後悔してる。あなたのように早く手を引くべきだった」

葬儀はとても簡素に行われた。職業の関係で、友人はほとんど来なかった。

彼女の家族は、彼女が稼いだお金を使いながら、彼女をまったく評価していなかった。

「こんな仕事をして、家の恥を晒して。死んでも先祖と一緒に葬られるなんて無理だ、汚らわしい!」

「お父さん、姉の貯金はどうするの?」

「当然引き出すさ。彼女は家のために稼ぐべきだったからな。それであなたが家や車を買えばいい」

りさのことを思うと胸が痛んだ。愛される場所がなく、心の寄り所もないからこそ、彼女はこの道を行き止まりまで進んでしまったのかもしれない。

彼女はいつも気にしていないふりをしていたが、実際にはただ強がっていただけだった。

私は違う。母と弟がいて、愛されているから、彼女より少しだけ幸運だと思う。

その家族の愛のおかげで、私は自分を見失わずにいられた。

毎日、母と一緒に散歩していた。

私が忙しいときは、弟が代わりに母を連れて行ってくれた。

医者は当初、母があと3年しか生きられないと言っていたが、私たちはすでに5年間も一緒に過ごしている。

家族以上に大切なものはない。

過去の記憶は、ただ生まれ変わりの一過程だと考えることにした。

母が生まれ変わったように、私もまた生まれ変わるのだ。
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