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第11話

私はついに5日間のスケジュールをこっそりと確認することに成功した。

初日は「パートナー交換」、2日目は「獣人ゲーム」と書かれていた。

嫌な予感がして、昔テレビで見た犬を使って囚人を襲わせるシーンが脳裏をよぎった。

頭を振って、「まさか、そんなはずがない。命に関わることだ」と思い直した。

直樹も5日間のイベントに参加するのだから、私が死ぬようなことにはならないだろう。

広場の中央にはいくつもの鉄の檻が並べられていて、その周囲には富豪たちが席に座っていた。

「始まります、さあ賭けをどうぞ!」

司会者が富豪たちにチップを配り始めた。

直樹が私を軽く押し、「さあ、衣装をもらってこい。勝ったら百万円やる」と言った。

断る権利はなかった。状況が飲み込めないまま、私は黄色いスポーツウェアを渡された。胸元には「3」の番号が記されている。

私と他の数人の女性が、それぞれの鉄の檻に入った。

檻は全部で6つだった。

「賭けを始めてください!」

直樹は二百万円のチップをスタッフのトレーに置き、「3番に賭ける!」と宣言した。
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