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第38話

彼女たちには感謝している。おかげで、自分の結婚生活をもう一度見直すことができた。私が持っているもの、それがどんなに羨ましがられても、私には全然欲しくないものだってことが。

私がどんなに言っても、彼女たちは私の言葉を信じなかった。いつも私と距離を取ろうとしていた。

私は彼女たちを見つめ、これ以上説得するのを諦め、「じゃあ、彼に紹介してあげましょうか?」と尋ねた。

それは質問に見えて、実は提案だった。

彼女たちにとって、これは千載一遇のチャンスだった。断るはずがない。私は彼女たちが慎一と友達になることを望んでいた。できれば恋人にまでなってほしい。

誰でもいい。霍田夫人の座を引き受けてくれる人がいれば。

私は彼女たちを慎一のもとへ連れて行き、自分は静かにその場を離れた。

慎一と雲香の顔が二人とも真っ青になっているのを見て、私は少し楽しんだ。

もう誰にも見つめられることはなく、私は再び宴会場を一周し、名刺をほとんどみんなに配り終えた。皆、笑顔で、口では私に気を遣う言葉を並べていた。

ふと、私は4年前の結婚式を思い出した。帝都でも前代未聞の盛大なもので、慎一との結婚はまるで夢のようだった。

慎一には何の非もないように思えた。愛以外のものは、彼は全て私に与えてくれたのだ。

間違っていたのは私だった。彼を好きになってしまったことが。

少しだけ心が晴れた。その時、雲香が南朔と楽しそうに話しているのが目に入った。

驚いた。二人は知り合いのはずがないのに。

南朔の警戒心は雲香よりずっと強かった。私の視線に気づくと、彼はすぐに振り返り、その鋭い目つきが年齢と共にできた皺に隠れることなく、私を圧倒した。

その目線に押されて私は一歩下がったが、私だと分かると彼の鋭さはだんだん和らいでいった。

もしかすると、母と南朔の間で何か取り決めがあったのかもしれない。彼は私に近寄ることもせず、むしろ私が近づくのを待っているように見えた。

私たちの視線が交わる中、無形の圧力が私を息苦しくさせた。立ち去るべきか、声をかけるべきか迷っていると、雲香が彼に別れを告げた。

彼の視線がついに私から外れ、圧力が一気に解けた。

雲香が私に向かってくると、私は少し落ち着きを取り戻した。

今日は彼女がピンク色のふんわりとしたドレスを着ており、小さなプリンセスのようだった。彼女は赤い目
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