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第7話

悠は私がようくんの手を引いている腕を強くつかみ、低い声で言った。

「残念だな、ようくんは俺だけをパパと認めてるんだよ」

私の腕が痛み、少し抵抗したが、彼はさらに強く握り締めた。

「ずっと隠していたのに、どうして急にようくんに真実を話したんだ?俺がもう利用価値がないから、離婚しようってのか?

それとも、俺が穂乃香を囲ってることに怒ってるのか?」

その言葉に、私は思わず笑ってしまった。

私は笑いながら彼を罵った。

「悠、君も浮気が私を怒らせるってわかっているんだね?」

「浮気?君が俺に、源との子供を五年間も育てさせておいて、俺を責めるのか?!

その源良時だぞ!アイツのせいで、親父が、俺と母を捨てたんだ......」

私は足を上げて、鋭いヒールを彼の革靴の上に落とした。

悠は息を吸い込み、突然私を強く抱きしめ、その声が耳元に響いた。

狂気じみたように。

「俺たちはどっちもどっちだろう。しかも、涼子、お前はまだ俺が以前のように好き勝手にされると思ってるのか?

涼子、君はその欺瞞の代償を払うべきだ」

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彼は確かに以前の彼ではなかった。

悠は戻ってくると、独断で両社の契約を破棄した。

まるで気まぐれな子供のように、源家と綾小路家を泥沼に陥れた。

二ヶ月も経たないうちに、会社の入口には多くの騒ぎを起こす人々が集まった。

プロジェクトは停滞し、資金は回らず、下層の社員の給料は一向に支払われない。

彼らは横断幕を掲げ、さらには命をかけて抗議してきた。

私はこれを解決するために精一杯努力していた。

その間も、悠は冷ややかな目で見守りながら、毎日新しい恋人を連れて、さまざまな社交場に出入りしていた。

私は眉間を軽く揉みながら、少し後ろに体を預けた。

菅野が腰をかがめて、最新の世論の動向を報告してくれた。

結局、悠と穂乃香がどこで遊んでいるのかという話題だった。

水族館や極地公園にも行ったらしい。

今日は遊園地に行っているそうで、悠が穂乃香のために貸し切りにして、二人は幼稚なメリーゴーランドに乗って、音楽の中で楽しそうに笑っているとか。

私のまぶたがぴくっと動き、胸に不安がよぎった。

菅野の携帯が突然鳴り、私は驚いて目を見開き、彼をじっと見つめた。

電話の向こうから声が聞こえた。「大変だ、坊ちゃんが幼稚園から見知らぬ人に連れ
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