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第23話

瑠璃子が時間を見て、まだ午後3時だった。「あと2時間だが」

「早めに出てもだめか?」紀子が少し不機嫌だった。「買い物に付き合ってほしいけど」

瑠璃子が躊躇した。

以前なら、挨拶なしで会社を出ても、お父さんは何も言ってこなかった。

しかし、今、星野グループの責任者は真弓で、ばれたら苛められると心配だった。でも、紀子の機嫌を損ねてはいけなかった。文哉と順調に結婚するために、この義理の妹の機嫌を取らなければいけなかった。

少し揉めてから瑠璃子は承諾した。「今どこ?すぐ行く」

「光本モールだ」

「20分ぐらい着く」

電話を切って、瑠璃子が車を運転して目的地に向かった。

それと同時に。

真弓は会長室で設計中だった。電話が鳴った。

一瞥して、設計図を置いて電話に出た。「樋口さん」

「いつ呼び方を変えてくれるの?」馴染んだ声で、低くて魅力的だった。

「なんで読んだらいいの?樋口達也?達也?それとも他の名前か?」

彼女がこんなに優しいとは思わなかった。ぼんやりしてから笑った。「これを聞いて、何でも同じように聞こえたが、ただ......」

「ただ何?」

「旦那だ」

「......」

「急がないで、ゆっくりでいい」かまわない様子だった。

真弓は唇をすぼめた。

達也は鉄面皮だったよね!

達也の言葉を無視して、直接聞いた。「電話して何か御用があるの?」

「今暇?」

「いや」

「和彦に用がある」

「樋口さん......」

「17日を開けといて、忘れないでね!」

「今日は15日じゃないか」真弓は日付を確認して言った。

「17日は大切な日だ。正装で出席する必要がある。良ければ僕の代わりに和彦の正装を取ってきてもらいたい。ついでに和彦に試着してもらって。僕はすぐ国際会議に出席しなくてはならない」達也は目的を言って、そして付け加えた。「運転手は既に和彦を迎えて、多分着いたと思う」

彼女に拒否するチャンスも与えなかった。既に和彦を送ってくれた。

「お願い」

話が終わって、彼は電話を切った。

真弓は深呼吸をして落ち着きを取り戻した。

設計図を保存して、パソコンの電源を切って、バッグを持って会長室を出た。

会社を出てすぐ入り口に止まった車を見かけた。和彦の頬が車窓に張り付いて、彼女を見かけて、彼は目が輝いて、すぐ興奮になった。「ママ」
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