共有

第4話

私の遺体は、川輝が働いている葬儀場に運ばれ、彼と楽奈が一緒に私の遺体を整理することになった。

川輝は遺体の修復を、楽奈は遺品の整理を担当していた。

二人は、普段からこんなにも息が合っていたのだろうか。それなのに、どうして川輝は毎日家に帰ってくると彼女のことを愚痴っていたのか。

得られないものほど、いつも心を乱すものなのだろうか?

「師匠、この人、かわいそうですね。もう妊娠していたのに......」

楽奈が私の検視結果を見て、私がすでに妊娠三ヶ月だったことを知った。

しかし、川輝は彼女の言葉には答えず、私の頭蓋骨を慎重に組み立てていた。

もしも、楽奈が遺品を整理しているときに、私の携帯をこっそり隠すのを見なければ、私は本当に彼女が私を哀れんでいると思ったかもしれない。

私の頭はすっかり砕かれてしまい、元の形に戻すのは難しかった。かろうじて輪郭が組み立てられた程度だった。

これで彼らは私が誰かも分からず、恐れることもないだろう。

川輝は忙しく、鋼線で私の頭蓋骨を固定し続けていた。楽奈は、そんな彼を気にも留めず、あちらこちらを物色していた。

だが、次の瞬間、彼女の言葉が私の魂を震えさせた。

「師匠、私、母の病が心配です......未成形の胎児を薬にすれば治るって聞いたんです」

川輝は依然として何も答えず、目の前の作業に没頭していた。

楽奈は川輝が何も言わないのを見て、しょんぼりと近くに座り込んだ。

霊となった私は、自分の平らなお腹に手を当てていた。子供はもういない。死んだら、一緒にいてくれることはないんだな......

「ナイフを持ってこい」

作業を終えた川輝が突然声を発し、楽奈は驚いて飛び上がった。

「ナイフ? 何に使うんですか、師匠?」

川輝は困ったように微笑んで彼女を見た。

「お前の母親の病を治すためだろう?」

その言葉を聞くと、楽奈は嬉しそうに手術用ナイフを取りに走った。

「川輝、もしお前がそんなことをしたら、私が必ずお前を殺してやる!

川輝!」

私は叫び続けたが、川輝にはまったく届かない。彼はナイフを持ち、私のお腹に手をかけようとしていた。

「師匠!」

楽奈の声が川輝の手を止めた。

「師匠、こんなことをしたらバレてしまいませんか?」

「お前さえ無事なら、俺は怖くない」

川輝がナイフを私のお腹に押し当てるの
ロックされた本
この本をアプリで読み続ける

関連チャプター

最新チャプター

DMCA.com Protection Status