「安田礼子?!」瑠璃子が明らかに興奮した。「今の彼女は、演技もいいし、トラフィックもあります。エンタメ業界でとても人気高い存在ですよ。我が社は契約できるかどうか別にして、彼女の契約費が少なくとも10億円超えるので、払う余裕はありませんよ」「払えるかどうか考えないで、ただ安田礼子についてのコメントを教えて」安田礼子は確かに今のファッション業界での人気者で、彼女が普段着た服はすぐ流行ってしまうし、彼女が星野グループのタレントになれば、きっと会社のアパレル事業を一段と引き上げられると思った。「姉さんが気に入る人なら、きっと悪くはありません」瑠璃子が真弓に合わせて言った。でも、心の中で、真弓が礼子の契約を取れないと思った。「分かった」真弓が頷いた。「もういい、仕事に戻って」瑠璃子が真弓を見つめて、今日の真弓の行動が怪しすぎると思った。元々今日の設計のことを聞きたかったが、結局聞けなかった。今日の設計は遥かに星野グループのレベルを超えた。もし彼女が設計したと世に知らせたら、設計業界できっと彼女にブレイクする。でも、今聞いたら全てが台無しになる恐れがあり、惚けた方がよいと思った。瑠璃子が会長室を出た。「瑠璃子、ちょっと待って」真弓が出てきて彼女を呼び止めた。「どうしましたか?」「今日のことを内緒にして、決める前に誰にも話さないでね」瑠璃子が唖然として、すぐ正気に戻って答えた。「姉さん、安心して、分かります」真弓は微笑んで、瑠璃子の後姿を見届いた。彼女が離れてから、真弓は周りを一通り見まわした。周りにいた一人の社員が秘書室で何かを聞いたようで、明らかに一夫達のスパイだった。瑠璃子とのやり取りで、その他の幹部の注目を集めたようだった。これは彼女が望んだことだった。会長室に戻り、真弓は初めて考えた。瑠璃子と話したタレントのことは嘘じゃなかった。星野グループのアパレル事業のすべての面では特色がなくて、激しい競争の中で勝ち抜くために、内部の実力を付ける他に、広告面での工夫も必要だった。長い間タレントを替えると計画していた。しかも、安田礼子が随分前に彼女が見つかった適切な人選だった。すでに調べて、安田礼子はアパレル関係のタレントをしていなかった。引き合いが沢山あったので、いつでも横取りされる可能性があった。事業の前で、
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