ボスのお子様を拾ってから身を任せた のすべてのチャプター: チャプター 71 - チャプター 80

真弓のオフィスを出た後、瑠璃子が一夫に電話して、それから車で達也の病院へ向かった。長い間チャンスを待っていたが、ずっと達也に近づくチャンスがなくて、突然に行くと嫌われると思った。今回、達也が患者となり、やっと彼に近づく機会を見つけ出した。男心について彼女はマスターだった。ドアをノックして彼女が入った。「樋口さん、お早うございます」瑠璃子がユリの花束を持って微笑んだ。病床に寝転がっていても格好良すぎる男だった！達也の目つきは冷たかった。 「私は鈴木瑠璃子で、鈴木真弓の実の妹です。」瑠璃子が急いで自己紹介をした。「異母姉妹」達也が訂正した。瑠璃子が少し不味くなったが、すぐ立ち直った。「さてと、今日は姉さんが忙しいので、彼女に頼まれて私が見舞いに来ました。星野グループの工場のワーカーが樋口さんを傷つけたことに対して、私は星野グループを代表してお詫び申し上げます。本当に申し訳ありませんでした」達也が瑠璃子を見つめて言った。「真弓に頼まれて見舞に来たって？」「怒らないで、姉さんが星野グループを引継いだばかりで、忙しくて、本当に抜け出せない仕事が沢山あります」瑠璃子が真弓のことを守ろうとした。当時、彼女は真弓の手から文哉を横取りすることができたので、今度、達也を横取りできると確信していた。「本当か?」達也の口調は明らかに皮肉だった。「僕の記憶が正しければ、君が姉婿を横取りした。お姉さんがまた君に頼みことすると思うか？」容赦なく暴いてやって、直接パンチを食わせたようだった。真弓は急いで説明した。「それは違いますよ。私と姉さんと文哉君のことで誤解させて......」「僕は君と文哉のことに少しの興味もない」達也が直接彼女の話を中断した。「僕は安静する必要があり、お邪魔しないでほしい」明らかに彼女を追出した。瑠璃子の顔色が悪くなり、彼女は今日わざわざ綺麗にしてきたのに、達也が目もくれなくて、直接追出してきた。「樋口君、お邪魔してごめんなさい。よく安静してください。これで失礼します」瑠璃子が心の不快を抑えて、急がば回れと思った。今の達也は真弓に専念していて、積極しすぎると嫌われる。当時、文哉も同じだった。文哉の実例があって幸いと彼女がふと思った。「さてと、この花をお気に入っていただければ嬉しい

真弓は達也の病室に残った。仕事があるから、パソコンを開いて仕事しながら達也に付き合っていた。時には、仕事に没頭していたので、実に達也の話を聞こえなかった。こんな時、達也は彼女の邪魔をしないようにしていた。しかも。隣のリンゴを取って皮むき始めた。横山が入り口を通った時に、不意に見かけたので、びっくりした。一体誰が患者なのか？ボスがこんなに「優しく」できるのか！彼は急いで逃げ出した。 お邪魔してはいけなかった。真弓は社内の書類を見ていた。突然パソコンの傍に皮剥いた一皿のリンゴを見かけた。リンゴは細かく切り砕かれて、爪楊枝が差されていた。彼女はさり気無く一切れを取って食べた。 長い間リンゴを食べなかったので、リンゴの味がこんなに甘いのを忘れたところだった。もう一切れを食べた。ずっとパソコンの画面を見つめて食べたので、突然何かがおかしいと感じた。 部屋には彼女と達也の2人だけだった。リンゴは彼女が皮剝いてなくて、それはつまり......彼女は突然頭を上げて、病床に半分座っていた達也を見て、彼が笑顔で彼女を見つめていた。「皮剥いたの？」真弓が聞いた。「なんで？」達也が肩をすくめた。「君は患者じゃないか？」「僕は手足が健全だよ」彼女が言いたかったのは、自分が彼の世話をすべきではないのか? そして、昨日、手が弱いって誰かが言ったの？！彼女は突然思い出した。昨日、達也に皮剥いたリンゴをそのまま噛んでもらった。このように細かく切って食べやすくようにしなかった。この瞬間、達也と比較して、自分のやり方はおざなりだったと思った。「私は果物があまり好きじゃない」真弓が言った。 自分が果物を食べないからこんな細かいところまで気づかなかったと彼女は言いたかった。「見て分かったよ」達也が頷いた。目がずっと真弓の前の皿を見ていた。一皿のリンゴが最後の小さい切れが残されていた。「今日のリンゴは格別な味がする」真弓は無理やり説明した。 というわけで、大目に食べたよ。「気に入って光栄に思う......」達也が笑った。「僕が皮剥いたリンゴだ」彼女が言いたかったのはそういうことじゃなかったが！彼が皮剥いたから特別じゃなかったよ！真弓は深呼吸をして、突然、説明することは

瑠璃子がじっと真弓を見て、その瞬間、この女の心を全く図ることができなかった。呼ばれて昨日達也の見舞のことを話すと思った。自分の思いを真弓が気づかなかったとは彼女は思わなかった。隠さず、そして認めずにしようと思った。しかし、真弓はそれについて話せなかった。気にしないとは思わなかった。子供の頃から、男なら皆彼女の機嫌を取るようにしていた。これは真弓がはっきり分かっているはずだった。今、真弓は生真面目に仕事だけの話を彼女にした。それに、肝心なのは、一生懸命徳安と峰松を追い出して、納期を守るために、彼女が生産の管理権を取ろうとしたじゃないか？この二人がお父さんの子分で、彼女のために働くわけがないと分かったからだろう。でも、真弓はこの権利を自分に任せて、自分は必ずお父さんを助けるだろう。こうすると、真弓が努力したことは全て台無しになってしまうじゃないか？！真弓の頭は突然可笑しくなったのか？！瑠璃子が黙っていた。もちろん、真弓に嵌められるのを恐れていた。でも、真弓がどんなふうに彼女を嵌めるのかを思いつかなかった。まさか真弓が忙しくて回れなかったのか？！どうせ、彼女は達也に専念しているし、昨日、1日病院にいて達也に付き合ったし、そして、これから問題がなければ、会議の後、彼女はまた達也の看病に行くだろう。「大丈夫です」ここまで考えて、瑠璃子が承諾した。「家族ですし、それに私は星野グループに勤めているし、姉さんの仕事を分担して、会社のために尽力するのが私の役目ですから」真弓が微笑んで、何の感情も現れなかった。「それでよろしくね」「姉さんご遠慮なさらずに」「これからのトップ会議、忘れないでね。じゃあ、また後で」「分かりました」瑠璃子が離れた。出る時にわざと立ち止まった。真弓が昨日のことについて一切話さなかった。気にしなかったのか？！それに彼女の機嫌を損ねて、真弓のために働かないと心配していたのか？！彼女は後者だと思った。......星野グループの会議室。会議があるたびに、会議室は少し騒がしくなっていた。 故意に真弓を軽視するように見せていた。真弓は会議の秩序に時間を無駄にしなかった。どうせ彼らが興味のあることを聞いたら自然に静かになるから。「今日、徳安と峰松の辞表を受け取った

瑠璃子が絶望した。ついにすべての従業員を返して、彼女は片付けて帰ろうとしたところに、平井がオフィスにやって来た。彼は携帯を彼女の机に投げ捨てて怒鳴った。「瑠璃子、僕は君とお父さんに力を尽くして、頼まれたことをすべてやり遂げたのに、今は勝手に解任されるなんて、これをはっきり説明してくれないと、ここから出てもらえないぞ」瑠璃子はまるで平井の勢いで脅かされた。 彼女は急いで携帯を取り出して助けを求めようとしたが、かける前に平井に奪われた。「平井監督、落ち着いて」瑠璃子が緊張して彼を慰めた。「解任のこと、私は本当に知らなかった。姉さんがどうしてこれをしたのかを全く知らない。事前に何の情報もくれなかった。もし事前に分かったら、必ず止めて......」 「騙さないでよ！今時にやっと分かって来た。これはお前一家の陰謀だった!」平井は瑠璃子の説明をまったく聞かず、憎々し気に言った。「お前達は真弓と仲が悪くて、彼女を星野グループから追い出そうとしたのをずっと信じていた。僕の考えは甘かった。お前は家族だ。家族のことを最優先するのが当たり前のことだろう。お前達はグルとなって星野グループを改革しようとしたのか！」「平井監督どうしてそう思ったの？姉さんが横暴に星野グループを奪って、私と父は彼女を支持することがないだろう。私たちは本気で彼女を追い出して、自分の物をすべて取り戻したいの......」 「もううんざりだ!」平井は大声で彼女の話を中断した。「お前と真弓のことを長く見て来た。とっくにグルだと疑った。真弓は何回かお前を会長室に呼んで、そして内緒にと言って、これは人事異動の件だろう？！しかも徳安と峰松も自ら辞任したわけではなく、一夫に追い詰められて辞任したのだ。あの二人は一夫の子分だぞ。勝手に捨てられたのか！お前一家の本性をはっきり見通ししたぞ！」「平井監督、それは本当に誤解だった。これはすべて真弓の仕業だった。彼女はわざと君たちに私と父のことを誤解させようとしたのだ......」 「誤解?」平井は冷笑した。「誤解って、お前は社長に昇進、そして生産管理の重任を任されて、生産管理がどれほど重要だと分かっただろう。お前を信じないと、こんな重大な役割を任せるわけがあるのか？！それに、真弓は25歳だけで、一夫が裏でアドバイスをしてくれなかったら、彼女はこんな

真弓がショートメールを送って、瞬く間に返信が来た。「まだだ」まさか彼女からのショートメールを待っていたようだった。真弓は思わず笑った。この瞬間の達也の表情も想像できそうだった。そんなに大きく変わらないが、彼はいつものように口元を引き上げただろう。「遅いし、患者だし、早寝早起きが必要だ」真弓が返信した。送ってから、真弓が白川に電話して、市立病院に行こうとした。いつからか分からないが、彼女は達也に対して堅苦しい気持ちがなくなった。車に座って、携帯を見て返事を待っていた。達也が時にはけっち臭いと真弓は思った。病院に着いた。真弓はできるだけ優しくドアを押しのけて入った。万が一、達也が彼女の話に従って寝込んだら、邪魔せずそのまま帰ると思った。薄暗い病室の中。 病床には誰もいなかった。真弓は眉をひそめた。 バスルームに音が出ていた。彼女は振り返って見渡した。 ちょうどその時、バスルームのドアが強く開けられた。体に水の粒が垂れていた男が出て来た。髪がびしょびしょで、上半身が裸で、下半身が白いバスタオルで巻かれていた。真弓の体が固まった。 達也のこんな姿を見えるとは思わなかった...... 美男子の入浴図と言えるだろう。言うまでもなく、彼女が今迄見たモデルよりも魅力的だった。達也も真弓が突然来るとは思わなかった。ショートメールを見て、来ないと思って、待たずに彼はシャワーを浴びて寝ると思った。彼女にじっと体を見られて、達也の口元にセクシーな微笑みを浮かんでいた。「鈴木さんがどう思う？」真弓がいきなり正気に戻った。その瞬間顔が真っ赤になった。達也の体をじっと見つめたのか......彼女は急いで向きを変えて、達也に背を向けた。 達也の気分は目に見えて有頂天になった。彼は濡れたスリッパを履いて、無造作にバスルームから出てきた。 一歩踏み出したところ。突然足が滑った。 真弓はすぐに後ろの異常に気付き、一瞬の考えもせずに、すぐ達也を支え助けてみた。その瞬間、達也は傷があり、転んだらだめとばかりに考えていた。達也が重くて、彼女は支え助けられないことを考える余裕がなかった。次の瞬間。「バン」! 二人とも地面に倒れた。真弓は達也の下に身を