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第76話

瑠璃子がじっと真弓を見て、その瞬間、この女の心を全く図ることができなかった。

呼ばれて昨日達也の見舞のことを話すと思った。自分の思いを真弓が気づかなかったとは彼女は思わなかった。隠さず、そして認めずにしようと思った。

しかし、真弓はそれについて話せなかった。気にしないとは思わなかった。

子供の頃から、男なら皆彼女の機嫌を取るようにしていた。これは真弓がはっきり分かっているはずだった。

今、真弓は生真面目に仕事だけの話を彼女にした。それに、肝心なのは、一生懸命徳安と峰松を追い出して、納期を守るために、彼女が生産の管理権を取ろうとしたじゃないか?この二人がお父さんの子分で、彼女のために働くわけがないと分かったからだろう。

でも、真弓はこの権利を自分に任せて、自分は必ずお父さんを助けるだろう。こうすると、真弓が努力したことは全て台無しになってしまうじゃないか?!

真弓の頭は突然可笑しくなったのか?!

瑠璃子が黙っていた。

もちろん、真弓に嵌められるのを恐れていた。

でも、真弓がどんなふうに彼女を嵌めるのかを思いつかなかった。

まさか真弓が忙しくて回れなかったのか?!

どうせ、彼女は達也に専念しているし、昨日、1日病院にいて達也に付き合ったし、そして、これから問題がなければ、会議の後、彼女はまた達也の看病に行くだろう。

「大丈夫です」ここまで考えて、瑠璃子が承諾した。「家族ですし、それに私は星野グループに勤めているし、姉さんの仕事を分担して、会社のために尽力するのが私の役目ですから」

真弓が微笑んで、何の感情も現れなかった。「それでよろしくね」

「姉さんご遠慮なさらずに」

「これからのトップ会議、忘れないでね。じゃあ、また後で」

「分かりました」

瑠璃子が離れた。

出る時にわざと立ち止まった。

真弓が昨日のことについて一切話さなかった。

気にしなかったのか?!

それに彼女の機嫌を損ねて、真弓のために働かないと心配していたのか?!

彼女は後者だと思った。

......

星野グループの会議室。

会議があるたびに、会議室は少し騒がしくなっていた。

故意に真弓を軽視するように見せていた。

真弓は会議の秩序に時間を無駄にしなかった。どうせ彼らが興味のあることを聞いたら自然に静かになるから。

「今日、徳安と峰松の辞表を受け取った
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