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第84話

「ベッドの香りがいいね」礼子が言った。

真弓は微笑んだ。

礼子がシャワーを浴びて、真弓のパジャマを着て、さりげなく歩き回り、真弓の家を見て言った。「寝室一つか」

「今後悔しても遅くないよ」真弓はコーヒを入れていた。

彼女はいつも寝るのが遅いし、今は12時前で、寝る気がなかった。

礼子がひと眠りしたから、今も眠くない。

「何を後悔するの?」礼子が笑った。「私は損してないし」

真弓はじっと彼女を見つめた。

礼子が突然反応して、急いで説明した。「私の性的指向は普通だよ」

真弓は笑って、コーヒコップを礼子に手渡した。「私は砂糖入りコーヒーが慣れなくて、苦いと思うなら、こっちに角砂糖がある」

「いらない。私もほとんどブラックコーヒーで、特に疲れ切った時」

二人がソファーに座った。真弓はテレビを付けた。

丁度エンタメチャンネルで、礼子のリアリティ番組が放送されていた。

「君は本当に私の大ファンだね!」礼子が自慢そうに言った。

そうでもない。

バラエティー番組を見て時間を潰して、リラックスするだけだった。

勿論、本人の前で反論することはなかった。

二人は礼子の番組を見て、少し遅くなった。

礼子の電話が突然鳴った。

彼女が一瞥して、出なかった。

そして、真弓の電話が鳴り始めた。携帯の画面を見て、すぐ電話に出た。「井上監督」

礼子が真弓を一瞥したようで、そしてテレビに専念した。

「礼子が星野グループの広告撮影に行ったと聞きました」

「そうですが」真弓は頷いた。「礼子を探していますか?彼女は隣にいますよ」

「隣にいますか?」雄一が確認して言った。

「います。今晩二人が酒を飲んで、彼女が家に泊まるって言ったので」

「そう、分かりました」雄一回答した。

ほっとしたような気がしたみたいだった。

「彼女に何か御用でもありますか?電話を替わりましょうか?」

「もういいです、さっき電話したが出てくれなかったので、伝えといて、明日の撮影はとても重要だから、遅刻しないようにと」

「分かりました」真弓が答えて、心の中で少し戸惑った。

どれほど重要なシーンなのか、真夜中に伝えなければいけなかったの。

そして、雄一の口調は少し慌てていたように聞こえた。

でも、最後に何もないように見せようとした。

「お邪魔してすみませんでした。お休みなさ
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