第90話

「会長、売上レポートが出ました」金子が丁寧に言った。

「持ってきて」真弓が落ち着いているように見えた。

金子がレポートを渡して興奮して報告した。「売り上げは予想をはるかに上回って、今朝10時に予定通りに発売開始して、オンラインではいくつかの人気タイプが数秒で売れ切り、その他のタイプも計画の300％を超えました。オフラインの実店舗の売上は統計中ですが、全国各地域からのフィードバックでは、お客さんが多すぎて、店員さんが忙しくて手も回らないほどで、在庫が足りないとの状況です」

真弓は嬉しくて口元を引き上げた。

「先ほど、営業部総監の雨宮博が北城最大のモールに現場調査をして、これは現場の写真です」そう言って金子はiPadを見せて来た。「これは我が星野グループの店です。その他はビル一階にある同業他社のブランド店です。うちの店以外、その他の店はお客さんがいなかったです。雨宮総監が他のフロアーの店をも調べたが、人が少なかったです」

言うまでもなく、今回の星野グループの服は大ヒットとなった！

星野グループの全員がこんなにいい成果をが出せるなど考えもしなかったが、ライバル企業の皆も予想できなかった。

文哉が情報を入手して、手に持っている書類をデスクに投げ捨てた。

真弓が星野グループの服装をヒットさせることを予想できなかった。同じく今日から秋の新品発売だが、千葉グループの発売は星野グループの三分の一にも及ばなかった！北城の独占的な地位にある地場アパレル企業として、こんな恥ずかしい結果を受け入れられるのか。

文哉は再びパソコンを開いて、心の中の怒りを抑えて星野グループの新商品を調べてみた。

最初に礼子のタレントのことに注目したが、星野グループのデザインに目を付けなかった。どうせ、ここ数年、星野グループにヒット商品一つも出なかったから、真弓が就任してから、天と地をひっくり返すぐらいのことがないだろうと思った。

今時、星野グループのデザインを見て、瞬く間に顔色が暗くなった。

認めなければならないことは、秋のシリーズの新商品は遥かに千葉グループのエースデザイナーのレベルをはるかに超えた。

「星野グループに新しいデザイナーが入ったか？どうして教えてくれなかった？仕事しながら周りの道を見ろと言ったじゃなかったか？！ライバルの商品がここまでできたのに、お前らは少しの危機感も