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第80話

真弓がショートメールを送って、瞬く間に返信が来た。「まだだ」

まさか彼女からのショートメールを待っていたようだった。

真弓は思わず笑った。

この瞬間の達也の表情も想像できそうだった。

そんなに大きく変わらないが、彼はいつものように口元を引き上げただろう。

「遅いし、患者だし、早寝早起きが必要だ」真弓が返信した。

送ってから、真弓が白川に電話して、市立病院に行こうとした。

いつからか分からないが、彼女は達也に対して堅苦しい気持ちがなくなった。

車に座って、携帯を見て返事を待っていた。

達也が時にはけっち臭いと真弓は思った。

病院に着いた。

真弓はできるだけ優しくドアを押しのけて入った。

万が一、達也が彼女の話に従って寝込んだら、邪魔せずそのまま帰ると思った。

薄暗い病室の中。

病床には誰もいなかった。

真弓は眉をひそめた。

バスルームに音が出ていた。

彼女は振り返って見渡した。

ちょうどその時、バスルームのドアが強く開けられた。

体に水の粒が垂れていた男が出て来た。

髪がびしょびしょで、上半身が裸で、下半身が白いバスタオルで巻かれていた。

真弓の体が固まった。

達也のこんな姿を見えるとは思わなかった......

美男子の入浴図と言えるだろう。

言うまでもなく、彼女が今迄見たモデルよりも魅力的だった。

達也も真弓が突然来るとは思わなかった。

ショートメールを見て、来ないと思って、待たずに彼はシャワーを浴びて寝ると思った。

彼女にじっと体を見られて、達也の口元にセクシーな微笑みを浮かんでいた。「鈴木さんがどう思う?」

真弓がいきなり正気に戻った。

その瞬間顔が真っ赤になった。

達也の体をじっと見つめたのか......

彼女は急いで向きを変えて、達也に背を向けた。

達也の気分は目に見えて有頂天になった。

彼は濡れたスリッパを履いて、無造作にバスルームから出てきた。

一歩踏み出したところ。

突然足が滑った。

真弓はすぐに後ろの異常に気付き、一瞬の考えもせずに、すぐ達也を支え助けてみた。

その瞬間、達也は傷があり、転んだらだめとばかりに考えていた。

達也が重くて、彼女は支え助けられないことを考える余裕がなかった。

次の瞬間。

「バン」! 二人とも地面に倒れた。

真弓は達也の下に身を
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