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第74話

真弓は達也の病室に残った。

仕事があるから、パソコンを開いて仕事しながら達也に付き合っていた。

時には、仕事に没頭していたので、実に達也の話を聞こえなかった。

こんな時、達也は彼女の邪魔をしないようにしていた。

しかも。

隣のリンゴを取って皮むき始めた。

横山が入り口を通った時に、不意に見かけたので、びっくりした。

一体誰が患者なのか?

ボスがこんなに「優しく」できるのか!

彼は急いで逃げ出した。

お邪魔してはいけなかった。

真弓は社内の書類を見ていた。突然パソコンの傍に皮剥いた一皿のリンゴを見かけた。リンゴは細かく切り砕かれて、爪楊枝が差されていた。

彼女はさり気無く一切れを取って食べた。

長い間リンゴを食べなかったので、リンゴの味がこんなに甘いのを忘れたところだった。

もう一切れを食べた。

ずっとパソコンの画面を見つめて食べたので、突然何かがおかしいと感じた。

部屋には彼女と達也の2人だけだった。

リンゴは彼女が皮剝いてなくて、それはつまり......

彼女は突然頭を上げて、病床に半分座っていた達也を見て、彼が笑顔で彼女を見つめていた。

「皮剥いたの?」真弓が聞いた。

「なんで?」達也が肩をすくめた。

「君は患者じゃないか?」

「僕は手足が健全だよ」

彼女が言いたかったのは、自分が彼の世話をすべきではないのか?

そして、昨日、手が弱いって誰かが言ったの?!

彼女は突然思い出した。昨日、達也に皮剥いたリンゴをそのまま噛んでもらった。このように細かく切って食べやすくようにしなかった。この瞬間、達也と比較して、自分のやり方はおざなりだったと思った。

「私は果物があまり好きじゃない」真弓が言った。

自分が果物を食べないからこんな細かいところまで気づかなかったと彼女は言いたかった。

「見て分かったよ」達也が頷いた。

目がずっと真弓の前の皿を見ていた。

一皿のリンゴが最後の小さい切れが残されていた。

「今日のリンゴは格別な味がする」真弓は無理やり説明した。

というわけで、大目に食べたよ。

「気に入って光栄に思う......」達也が笑った。「僕が皮剥いたリンゴだ」

彼女が言いたかったのはそういうことじゃなかったが!

彼が皮剥いたから特別じゃなかったよ!

真弓は深呼吸をして、突然、説明することは
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