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第73話

そこで瑠璃子の体が固まった。

「ごめんなさい」瑠璃子はすぐに可哀想な表情に変わり、目に涙を浮かべながら言った。「ユリにアレルギーだと知りませんでした。次回気を付けます」

「僕はユリにアレルギーじゃなくて、君にアレルギーだ」達也はゆっくり言って、口調は冷たかった。「二度と僕の前に現れないようにしてね」

瑠璃子の顔が急に青ざめた。

彼女は聞いた言葉を信じられなかった。

彼女は子供の頃から今迄、男にこんなに恥をかかされたことがなかった。

男なら誰でも彼女のような綺麗で弱くて恥ずかしがり屋の女が好きだろう......

きっと真弓だ!

真弓がいるから、達也はわざとそう言っただろう。

彼女は崩れた気持ちを抑えて、目が赤くなってユリを抱えながら病室から小走りして出て行った。

真弓は瑠璃子の後姿を見届けた。

認めざるを得なかった。

心に何か復讐の喜びがあった。

学校に通った時から、瑠璃子の周りには数え切れないほどの男の子がいた!

彼女は本当に理解できなかった。どうして男が瑠璃子のような女が好きで、清楚系ビッチの特徴は見え見えじゃなかったか!

その後、瑠璃子が文哉と一緒になり、彼女はずっと胸騒ぎをしていた。

文哉が他の誰にでも恋をしていたら、彼女はそんなに怒ったりはしないが、瑠璃子だけ除けば。

彼女が思うが、世界中の全ての男が瑠璃子の誘惑を断られないだろうか?!

今日、達也に会うまで。

今後はどうであれ、この瞬間だけは、彼女がとても幸せだった。

「来たか」達也が挨拶した。

真弓が気を取り戻した。

部屋に入り、達也の病床の傍に座り、単刀直入言った。「昨日話しただろう、傷つけられて、絶対損させないって」

「それで?」

「星野グループには父の子分が沢山いて、皆の力を合わせて、父の人脈を引き離してやらないといけない。したがって、当分の間、犯人を裁くことはできない。私には十分な証拠がないし、星野グループの危ない時にこんなことで冒険したくないから、私はお金で傷つけたことを償うために最善を尽くすことしかできない」

「お金?」達也は眉を引き上げた。

「お金に困らないのは知っているが、でも、これは私が唯一できることだ」

「いや、他にも沢山ある」

真弓は唇を窄めた。

彼女はアホではなかった。達也が言ったことを当然承知していた。

「例えば
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