会計係が帳簿の計算を終え、上原さくらに手渡した。さくらは目を通してから、軽く頷いて恵子皇太妃に渡した。「母上、ご確認ください。金額は合っていますか?」恵子皇太妃は意気込んで帳簿を受け取り、注意深く見始めた。彼女はすでに戦う心構えができていた。しかし、帳簿を見た途端、皇太妃は目を丸くした。「ここ数年、私がこんなに出費していたの?」投資も含めて、彼女はこの数年で合計13万6000両の銀を出していた。一つ一つの出費は記録していたものの、その時は大した額に思えなかった。しかし、合計してみると、こんなに大きな金額になっていたのだ。13万6000両。もしさくらが彼女を連れて確認し、人を連れて来て調査しなければ、恵子皇太妃はずっと損失だと思い込み、淑徳貴太妃と面子を争うためにさらに出費し続けていただろう。13万6000両は元金で、利益と今年の総利益を合わせると18万6530両になる。そして、彼女の持ち分に応じて、この利益から13万571両を受け取ることができる。利益も含めると、今回儀姫から取り戻すべき金額は26万6571両になる。恵子皇太妃の意気込みは一気に萎んだ。「こんなに多いなんて、取り戻すのは難しいわ」「お母様、そのようなお言葉は、ご自身の勇気を削ぐだけでなく、大長公主の財力を軽んじることにもなりますよ」さくらは冷静に言った。恵子皇太妃は何か言いかけたが、嫁が向けてきた冷ややかな眼差しを見て、伊勢の真珠を取り戻した時のスムーズさを思い出し、弱気な発言は控えた方が良いと思い直した。道枝執事が尋ねた。「皇太妃様、王妃様、護衛を同行させましょうか」恵子皇太妃は急いで頷いた。「そうね、たくさん連れて行きましょう。数十人くらいで、まずは威圧してやるの」さくらは言った。「護衛は必要ありません。私たちは喧嘩をしに行くのではなく、帳簿の確認に行くだけです」恵子皇太妃は同意しなかった。「どうして要らないの?大勢連れて行けば身を守れるわ。彼女たちがどんな汚い手を使うかわからないでしょう?」さくらは顔を上げ、帳簿を片付ける彼らを見つめながら言った。「何も恐れることはありません。帳簿を持って行くだけなら、数人で十分です」恵子皇太妃は断固として主張した。「絶対に連れて行くわ!」道枝執事は恵子皇太妃を見て、また王妃を見て、慎重
Read more