太后は妹の心中を察し、まずは戒めの言葉を述べた。「あなたはもうすぐ親王家で玄武と住むことになるわね。内外のことがよく分からないなら、無理に権力を奪って管理しようとしないで。さくらが嫁いできたら、自然と王府の家政を任されるでしょう…」「お姉様、それは違います」恵子皇太妃は太后の言葉を遮り、珍しく真剣な表情になった。「新婦が入ってすぐに家を切り盛りするなんてことがありますか?私は彼女を信用できません。私たち姉妹二人だけの場ですから、率直に言わせていただきます。私は彼女が好きではありません。私の嫁になってほしくないし、親王家の家政を任せるなんてもってのほかです」「そう?じゃあ、あなたが家を切り盛りするの?」太后は眉を上げた。「いいわ。明日から皇后に後宮管理の権限をあなたに渡すように言って、彼女に休んでもらいましょう。あなたが数日間管理してみたらどう?」「宮中の事は私も管理したことがありますよ。皇后が中宮を取り仕切る時も、私はたくさん手伝いました。それに、お姉様が宮を管理していた時、私が手伝わなかったことがありましたか?」「確かに手伝いはしたわね。邪魔をするという形でね」太后は容赦なく言った。「両親があなたを甘やかしすぎたのよ。あなたが宮に入ってからも、私があなたのことを見守り、守ってきた。だからこそあなたは安心して一男一女を産むことができたのよ。何度もあなたが問題を起こしたとき、私が陰で解決してきたわ。でも親王家では、もし平穏に暮らしたいなら、嫁に難癖をつけようなんて考えないことね。さくらを好きでなくても、彼女が嫁いでくるのに反対しても、彼女が玄武と結婚することはもう決まったこと。あなたが反対する余地はないわ。もし屋敷内で私に面倒をかけるようなことがあれば、許さないわよ」太后がこれほど厳しい口調で彼女に話すことは珍しかった。上原さくらのせいで姉が自分を可愛がらなくなったと感じ、心の中で上原さくらへの不満がさらに募った。しかし、恵子皇太妃も一つの現実を認識した。それは、上原さくらにどれほど不満があっても、彼女は玄武と結婚することになるということだ。この縁談を阻止することはできない。ため息をつきながら考えた。そういえば、あの日の大長公主の誕生日宴会で、自分が大声で言ってしまった。今さら結婚しないと言えば、上原さくらの名誉は完全に失われてしまう。
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