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第0282話

「初恋だとしても、3年間も一緒に過ごしてきたんだよ。綿ちゃんみたいに美しい女を目の前にして、心が動かないなんてあり得ないわ!」と玲奈はまるで策士のように真剣な表情で分析を始めた。「それに、高校時代は彼、あなたにもっとべったりだったじゃない?」

綿はうなずいた。

玲奈の言うことには確かに一理あった。

綿は玲奈を見つめ、その大きな瞳をパチパチと瞬かせながら尋ねた。「じゃあ、どうして彼は私を愛してくれないの?」

玲奈は一瞬固まった。「……」

本当だ、どうして輝明は綿を愛さないのだろう?

綿が一体どこで、あのあざとい女に負けているというのか?

綿は窓の外を見つめ、ガラス越しに輝明が嬌と共に席に着くのが見えた。

手に持っていたシャンパンを一気に飲み干し、右手でグラスをしっかりと握りしめた。

「岩段社長、まだ何か用?」玲奈が隣にいた秋年に尋ねた。

秋年は軽くうなずいた。確かに用事があった。

しかし、さっきの嬌の様子を見ていると、今はそのタイミングではないと感じた。

「森川さん、最近は南城に滞在してるのか?」と秋年は玲奈に尋ねた。

「明日から撮影に戻るわ」と玲奈は淡々と答えながら、秋年を上から下まで観察した。彼は一体何を企んでいるのだろう?

秋年は残念そうな表情を浮かべた。

玲奈は目を細め、この男が自分に興味を持っているのではないかと感じた。

モデルに飽きて、今度は自分を狙っているのか?

そう思った瞬間、玲奈は遠慮なく言い放った。「岩段社長、私はちゃんとした人間だからね」

えっ?

秋年は考え事をしていたが、玲奈の一言に驚かされた。「誰がちゃんとしてないって?俺だって真面目だよ!」

秋年は誰よりも真面目だと自負しているのだ!

玲奈は秋年をじっくりと見て、冷ややかに笑った。

秋年「……」彼は再び玲奈から偏見を感じた!本当にひどい!

「高杉に比べたら、俺は正直でいい男だよ!」秋年は自信を持って言った。

玲奈は「輝明」の名前を聞くと、即座に反応して「そうよ」

「犬だって高杉輝明よりマシよ!」と玲奈は怒りを込めて言った。

秋年は一緒にうなずいたが、よく考えてみると、何かがおかしい気がした。

犬が輝明よりマシ?じゃあ、秋年は……

「連絡先を交換しない?」秋年はスマホを差し出した。

玲奈と仕事をするには、まず彼女に良い印象を与える必要が
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