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第 0309 話

司礼はメニューを綿に渡しながら、スタッフと話し始めた。「こんなにロマンチックで、場所の選び方も素敵ですね。とてもセンスがあります」

「そうなんです、しかも今回は女性から男性へのプロポーズなんですよ!」スタッフは真剣な顔で彼に教えた。

司礼は驚いて、「女性がプロポーズ?そんなに勇敢なんですか?」と言った。

綿もその言葉を聞いて顔を上げ、スタッフを一瞥した。

女性がプロポーズするなんて。

でも別に驚くことでもない。今は時代が変わり、大胆に愛を告白する女性も多い。

みんなも割り切って、付き合えるならそれが一番、ダメならそれでいい。悩んでも無駄だ。

綿は注文を終え、彼にも注文を促した。

「彼女と同じものをお願いします」と司礼はメニューをスタッフに返し、優しく言った。「ありがとうございます」

綿は彼を注意深く観察した。

彼は本当に良い人で、誰に対しても優しい。スタッフに対してもあんなに親切だ。

彼女はふと頭を下げて携帯を取り出した。

暇つぶしに写真を一枚撮って、SNSに投稿した。

【@綿:映画を観て、食事をして。急に生き返った気分】

投稿を終えると、すぐにファンからコメントが届いた。

綿はいくつか読んだが、大体は彼女に男から離れて、しっかり生活するようにという内容だった。

彼女は一つ一つ「いいね」を押して、読んだことを示した。

スタッフはすぐに料理を運んできた。

綿がステーキを切っていると、外でスタッフが「人は来ましたか?」と言う声が聞こえた。

「わかりました、こちらもすぐに準備します」

今日はお客さんも多く、みんなプロポーズがあると聞いて期待に胸を膨らませていた。

綿の席はまさに絶好の観覧スポットだった。

前方にはハート形のバラの花びらで小道が作られている。

彼女がショーを楽しみにしていたとき、入口から突然、彼女がよく知る二人が現れた——!

綿はステーキを切る手が止まり、ナイフがテーブルクロスに当たった。

司礼も少し驚いていた。

彼は誓って、本当に知らなかった。今夜プロポーズするのが、嬌と輝明だなんて!

嬌は輝明の背後に立ち、両手で彼の目を覆い、少しずつ前に進むように導いていた。

男性はスーツ姿で、とても協力的に足を進めていた。

「タンタンタン——」

嬌は彼の目を覆っていた手を外した。

輝明は眉をひそめ、反射的に
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