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第16話

ひんやりとした感覚が襲い、友梨は思わず身震いし、体が止まらず震え続けた。

彼女の胸前にかすかに見える曲線を見て、健の目は突然暗くなり、彼は頭を下げて彼女の鎖骨に直接キスをした。

「触らないで!」

友梨は必死に抵抗したが、体は健に押さえつけられた。しかし男性と女性の生まれつきの力の差は、彼女に逃げる可能性を全く与えなかった。

友梨の顔には嫌悪と怒りが溢れていて、彼に触れられるだけで極度に気持ち悪く感じた。

「友梨、今回は断っても無駄だよ」

彼の子供を妊娠させることで、彼女は自分のそばに留まるだろう。

友梨の嫌悪の視線を無視し、健は彼女の唇にキスをした。

次の瞬間、友梨に唇を強く噛まれ、血の味が二人の口の中に広がった。

健は彼女を放し、口元の血を拭い、冷笑しながら彼女の顎を掴み、無理やり自分を見るようにさせた。

「友梨、今日は逃げられないよ」

彼女の鎖骨にキスしようとした瞬間、突然ドアの方からドンドンとノックする音が聞こえた。

「坊ちゃん、幸四郎さんが来ました」

健は眉をひそめ、目に疑惑が浮かんだ。幸四郎は今までここに来たことがないのに、どうして突然訪ねてきたのだろう?

しばらく考えた後、彼は外に向かって低い声で言った。「わかった、すぐに降りると伝えてくれ」

使用人が去った後、健は友梨に目を向けた。

「僕が戻るまで待っていて」

友梨は何も言わずに顔を背け、健も彼女に答えを強要せず、彼女を離して自分の服を整えた後、寝室を出て行った。

部屋のドアが閉まるまで、友梨はやっと大きく息をつき、まるで九死に一生を得たような気分だった。

彼女は慌てて起き上がり、窓辺に歩いて行った。下の整えられた芝生を見つめ、しばらく躊躇した後、目を閉じてそのまま飛び降りた……

一方で、健が階下に降りたとき、幸四郎は冷たい顔でソファに座っていた。

彼の厳しい表情を見て、健は突然少し不安になった。

「叔父さん、今日は何か用事があって来たのでしょうか……」

「その女秘書はどんな関係?」

「何?」

健の目に信じられないという表情が浮かび、自分の耳を疑った。幸四郎がどうしてこのことを知っているのだろう?

「二度は言いたくない。お前があの女と問題を起こしたと聞いたが、湯川家の男が浮気したらどうなるか分かっているだろう?」

健の顔色はたちまち青ざめ、幸四郎を見
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