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第7話

私は急いで義姉を板車に乗せ、稲わらでしっかりと覆った。

遠くから見ても、その稲わらは彼女の姿を完全に隠すことができた。

全てが整った後、私は力を振り絞って板車を押しながら、慎重に芦苇荡へ向かった。

途中、私は細心の注意を払いながら、誰かに見られないかと心配しつつも進んだ。

幸い、道中は順調だった。

芦苇荡に到着すると、私は義姉をそっと芦苇の中に置き、優しく声をかけた。

「義姉さん、ここで少し待ってて。今、船を持ってくるから」

義姉は素直に頷いた。

板車のおかげで、私は簡単に船を芦苇荡に引き寄せることができた。

そして、義姉を船に乗せ、私は慎重に漕ぎ始めた。

私一人で漕いでいたため、船は遅々として進まなかったが、それでも確実に前に進んでいた。

もう少しだ。もう少しでこの地獄のような村から抜け出せる。

義姉の目にも、自由への期待が現れ始めた。

しかしその瞬間、船に突然の抵抗を感じ動かなくなった。

振り返ると、船尾をしっかりと掴む太い手が見えた。

それは、村長の息子、財樹だった。

彼はまるで肉の山のような体をしていて、怒りで顔の肉が激しく震え、小さな三角形の目は憎しみに満ちていた。

「桃璃、父ちゃんが言ってたんだ。お前は俺の嫁になるんだから、逃げるなよ!」

彼は力任せに船を引っ張り、船は激しく揺れ、今にもひっくり返りそうだった。

私は必死に彼を蹴ろうとしたが、彼の力はあまりにも強かった。

彼は私を目標にし、両手で強く私を引き寄せようとしていた。

「桃璃、お前は俺の嫁だ。これから俺に五人の息子を産んでもらうんだ。逃げられると思うなよ!」

もう少しで彼に引きずり込まれそうになったその瞬間、

「パーン」という銃声が響いた。

目の前でガラスが割れ、財樹の頭から一気に血が噴き出した。彼は目を大きく見開き、信じられないという顔で私を見ていた。

彼の手が力なく私を離し、そのままゆっくりと倒れ込み、水中に沈んでいった。水は瞬く間に真っ赤に染まっていく。

義姉が半分割れたビール瓶を手に持ち、私の背後を恐怖に満ちた顔で見つめている。

「桃璃、早く逃げて!奴らが来た!」

遠くから、村人たちが追ってくる騒がしい声が聞こえてきた。

私は焦って必死にオールを漕いだが、船の進みは遅かった。

村人たちの足音がどんどん近づいてくる中で、私は絶望感
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