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第2話

翌朝、まだ夜が明けきらず薄暗い空の下、家の鶏がけたたましく鳴き始めた。

ぼんやりと目を覚ました私は隣の布団を手で探った。

冷たい。

義姉はまた、夜中にこっそり帰っていったんだな。

仕方なく私は起き上がり、毎日繰り返される忙しさに戻った。水を汲み、薪を割り、火をおこし、一刻も休む暇がない。

二時間も過ぎてから、ようやく父さんがのそのそと起きてきた。

顔をしかめ、堂々と食卓に腰を下ろし、誰かが世話をするのを待っている。

義姉は目を伏せ小さく息を吐いて、できたばかりの肉粥を慎重に運んできた。

父さんは義姉を鋭く見つめ、その目は暗く陰鬱だった。

突然父さんは手を伸ばし、義姉のお尻を乱暴につかんだ。

義姉は驚いて身震いし、手に持っていた熱々の肉粥を父さんの股間にこぼしてしまった。

父さんはすぐさま飛び上がり、その目には怒りの炎が燃え盛っていた。

「このくそ女め!俺の孫家の血筋を断つ気か!」

「お前、昨夜、こっそり出て行って何してた?男と会ってたんだろう!」

「普段は貞操を守る女ぶって、触れられただけで死ぬだの生きるだの言いやがって、実際は俺が歳取って満足させられないからだろ!この尻軽が!」

義姉は苦しさに顔を歪め、涙を流しながら震え声で許しを乞うた。

「父さん、違います、私は孫家に恥じるようなことはしていません」

怒り狂った父さんは、何も聞かずに近くにあった藤のムチを手に取り、義姉に容赦なく振り下ろした。

打ちながら、怒りに任せて罵声を浴びせ続けた。

「お前、昨夜あんなに酒臭かったのは、どこの男と一緒にいたんだ!夫が死んだからって、お前も楽になったつもりか?」

「言っておくが、そんな甘いもんじゃねぇぞ!俺が三万も払って買った女だ。孫家の後継ぎを残すまでは、死ぬことすら許さねぇ!」

義姉は逃げることもできずただ両手で頭を抱え、身を縮めて、少しでも痛みが軽減されることを祈るしかなかった。

藤のムチが彼女の服を無惨に引き裂き、打たれた肌が青黒く浮き上がっていく。

父さんの濁った目には、ますます危険な光が宿った。

藤のムチを投げ捨てると彼は義姉の腕を小鳥のように掴み、主屋に向けて無理やり引きずっていく。

義姉の足は地面を擦りながら恐怖に満ちた瞳で、涙ながらに懇願していた。

「お父さん、お願いです、私を許してください!」

しかし、父さんはまるで聞く耳を持たなかった。

彼の血走った目を見た瞬間私は寒気がした。これ以上続けば、義姉は間違いなく殺されてしまう。

突然どこからともなく勇気が湧いてきて、私は父さんに飛びかかり、その脚にしがみついた。

「お父さん、義姉は悪くないんです。昨日の夜、私が体調悪くて、彼女は私を看病してくれてたんです。どうか許してください!」

父さんは冷たく私を一瞥し、憎しみに満ちた目で睨んだ。

そしてためらいもなく足を上げ、私の胸に強烈な一撃を加えた。

激しい痛みに全身が貫かれ、私は後ろに吹き飛ばされ、地面に叩きつけられた。

内臓がすべてズレてしまったかのような激痛に襲われた。

私は血の混じった唾を吐き出した。

「役立たずの分際で、俺の邪魔をする気か!」

「このクズが、俺の食い物を食い、俺の水を飲み、俺の家に住んでいながら、恩を仇で返す気か」

「根無しの奴が、俺の前でベラベラ文句を言いやがって、どうせお前なんかいらねぇんだ、息子ができたらすぐに売っちまうぞ」

父は捨て台詞を吐くと、また義姉を引きずりながら主屋へ向かって歩き出した。

私は体中の激痛を堪え、再び這い寄って父のズボンにしがみついた。

「父さん、お願いだから、義姉を許してやって!もうこんなことはしないで!」

父は冷酷に私の手を足で踏みつけ、さらにその上で力を込めてねじり潰した。

私はあまりの痛みに、絶叫を上げた。

それでも、私は決して手を離さなかった。

手を離せば、義姉はもう終わりだ。

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