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第5話

村長が帰ってから、父はようやく私を豚小屋から出してくれた。

彼は私を睨みつけ、「運がいいな、顔が良かったからだ。次にまた俺を怒らせたら、お前をミンチにして豚の餌にしてやる。さっさと働け!」と怒鳴った。

私は働くふりをしながら、水の入った桶を持って、こっそり母屋に向かった。

部屋に入ると、鼻をつくような生臭い匂いが充満していた。

ベッドを見ると、体が震えた。

義姉は裸のままベッドに横たわり、まるで壊れた人形のように動かない。

髪は乱れて落ち、顔は青白く、汗で髪が頬に張り付いていた。

彼女の体には青あざが広がり、赤い引っかき傷が無数に走っていた。

下半身は見るに堪えなかった。

黒ずんだビール瓶が無理やり押し込まれ、周りの皮膚は腫れ上がり、乾いて黒ずんだ血がこびりついていた。

足が震えながらも、私は一歩一歩彼女に近づいていった。

彼女の横に跪き、そっと体を拭いてあげた。

義姉は目を閉じたままだったが、涙が絶えず流れ落ちていた。

私は彼女の震える体をしっかりと抱きしめた。

「楓珠義姉さん、もう一度逃げよう。今度こそ、ちゃんと準備して一緒に出よう」

義姉は微かに目を開け、困惑した表情を浮かべた。

「本当に…出られるの?」

私は力強く頷いた。

彼女は私の手をそっと握り返した。

義姉の目に、再び希望の光が灯った。

今度こそ、私たちは万全の準備を整えた。

逃げる日は祭りの日に決まった。

その日は、村の男たちは皆祭壇に行き、先祖を祀ることになっている。

息子のいる者だけが天灯を灯す資格を持ち、祖先の加護を祈る。

灯を灯せない男たちは、村中の人々から蔑まれるのだ。

渡辺の未亡人が教えてくれたのは、村の端にあるアシの生い茂る場所に抜け道があり、それを通れば外へ出られるということだった。

彼女は偶然、誰かがその道を使って外へ買い出しに行くのを見たことがあるらしい。

ただ、一つだけ問題があった。それは川を渡らなければならないことだった。

義姉は私を見つめ、戸惑いを隠せない様子で言った。

「でも、私、泳げないの…」

私は目を伏せ、低い声で答えた。

「玉米畑に船を隠しておいたんだ。後日、天灯の儀式が始まる正午に、私たちはこっそり抜け出すんだ。もし素早く行動すれば、外に逃げられる」

そのボロ船は、村の年老いた漁師が捨てたもので、田んぼ
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