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第9話

菜々実のまだ1ヶ月の胎児は、結局守ることができなかった。

彼女は病院で目覚めるたびに何度も騒ぎを起こした。

安彦の両親は付き添いの間、彼女にさまざまな方法で何度も罵られた。

私が一度様子を見に行った時、二人の老人は一気に10歳も年を取ったように見えた。

菜々実は私を見るなり直接怒鳴った。

「遥さん、得意になってるんでしょ。私が必死であなたを安彦お兄ちゃんの妻の座から引きずり下ろしたのに、結局彼と結婚できないなんて」

私たち二人だけなら、彼女の言葉もそれまでだった。

しかし、今は病院の病室で、周りには入院患者がいる。

彼女の言葉は他のベッドの患者たちの不満を直接引き起こした。

「こんな若い娘が、人の関係に第三者として割り込むなんて信じられない」

「まったく、世の中には驚くことばかり。初めて見たよ、不倫相手が自分を正妻だと思って本妻を罵るなんて」

「聞いたところによると、やっと関係を壊すのに成功したのに、男の家族に認められないどころか、子供まで失ったそうだ。まさに因果応報だね」

「私たちの病室に不倫相手のルームメイトは要らないわ。医師や看護師さん、彼女を別の病室に移動させられない?」

......

病室の他の人々が次々と言葉を投げかけた。

最終的に本当に菜々実を追い出そうとしたので、彼女はようやく大人しくなった。

安彦はもう何日も会社に出勤していない。病院にも姿を見せず、私との離婚手続きもまだ済んでいない。

私は家にある安彦の物を全部梱包し、ついでに暗証番号ロックも変更した。

菜々実が退院する日、安彦が現れた。

私は元々安彦を呼んで離婚手続きをするつもりだったが、二人に話があるようなので、一旦脇に立った。

「安彦お兄ちゃん、この数日どこにいたの?私はダメな女だわ、私たちの子供さえ守れなかった」

菜々実は安彦を見るなり目を赤くした。

「菜々実、ごめん。この数日間、真剣に考えてみたんだ。俺はお前に対して本当に兄妹の情しか持ってないかもしれない。俺が好きなのはやっぱり遥だ。お前と結婚することはできない」

菜々実は涙を浮かべた目で、呆然と安彦を見つめた。

「ただの妹?安彦、私たちには血縁関係なんてないわ!あなたはこんなにたくさんのことをしておいて、今になって遥さんの前でこんなことを言うの?良心が痛まないの?

こんなこと言って、天
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