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第5話

安彦は腹を立てたように服を着て出て行き、ドアを強く閉めて出て行った。

彼に怒る資格なんてない。

彼と付き合い始めてから、菜々実に呼ばれるたびに、どんなに忙しくても彼女のところへ行っていた。

以前、それを少し責めると、彼は不満そうに、私が小心者だとか、考えすぎだとか言った。

今回は止めなかったのに、なぜ私に腹を立てるのか。

安彦が出て行った後、私は再び携帯を手に取った。

菜々実の動画アカウントは、もう見慣れていた。

案の定。

最新の投稿は、安彦が彼女の胸に顔を埋めている写真だった。

写真の下には【お兄ちゃん疲れてる。妹にしか慰められないのね】というコメントまでついていた。

私は黙ってビデオを閉じ、アプリを終了しようとした。

未読メッセージの欄に、1件の通知があった。

【遥姉さんでしょ?私の動画アカウントの内容、全部見たんでしょ?それでも安彦お兄ちゃんと離婚する気にならない?】

自分の不注意を責めた。今回、訪問者記録をオフにするのを忘れていた。

【私が離婚したくないんじゃない。あなたの安彦お兄ちゃんが私と離婚したくないの。もし彼を説得できたら、明日にでも離婚届を出せるわ】

【調子に乗らないで。安彦お兄ちゃんは今私のそばにいるのよ。あなたは家で独り寂しく過ごすしかないのに】

【はいはい、よかったわね。お幸せに!】

【見てなさいよ!】

菜々実はこれを送った後、もう返信してこなかった。

私はしばらく様子を見ていたが、何も動きがなかったので、静かに身支度を整えて寝た。

もう寝て、この件のことを忘れかけていた頃。

真夜中に親友からの電話で起こされた。

「遥、起きて!聞いてよ、病院の友達が緊急患者を受け入れたんだって。何があったと思う......」

「もったいぶらないで、はっきり言って」私は欠伸をしながら、少しイライラした。

「あなたの旦那の『義理の妹』が救急車で運ばれてきたの。どうやら......激しすぎて、体を傷つけたみたい」

親友は声を低くして言った。

私は嘲笑的に笑った。

結局、見ていろと言われた大騒ぎは、自分を病院送りにすることだったのか。

深いため息をついた。

ほら、やっぱり男の言葉なんて当てにならない。安彦は口では離婚しないと言いながら、電球を取り替えるだけで自制できないなんて。

親友は明らかにこのチャンスを
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