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第6話

......

【病院に来るべきだったのに。言うことを聞かないから。こっそり教えるけど、あの菜々実ね、妊娠一ヶ月だって分かったわ】

【この前、コンドームを買うのにあなたに代金を払わせようとしたって言ってたでしょ。あなたが返品して良かったわ。でなきゃこんな大スキャンダル、知れなかったかもね】

......

最後のメッセージは1時間前のものだった。

親友は興奮して一晩中眠れなかったようだ。

以前なら、こんな情報を聞いて耐えられないほど辛かっただろう。

でも今は、菜々実の妊娠を知って、むしろ心が軽くなった気がした。

菜々実が妊娠したことで、安彦との離婚が早く済むと思えたからだ。

朝早く会社に着くと、安彦がオフィスのドアの前で待っていた。

昨日の騒動のせいか、今回は誰も私を止めようとしなかった。

安彦は髪が乱れ、目の下にクマができ、地面に座り込んで煙草を吸い込んでいた。一晩中眠っていないようだった。

私を見ると慌てて立ち上がり、半分残った煙草を消して、ゴミ箱に捨てた。

「遥、俺......わざとじゃなかったんだ。お前だと思ってたんだ」

「じゃあ、菜々実の一ヶ月の妊娠は、どう説明するの?」

「何だって?」安彦は呆然とした。

「来る前にあなたの両親に電話しておいたわ。すぐに車で来るはず。離婚協議書はもう準備してある。問題なければサインして」

彼は私が印刷した離婚協議書を見て、少し狼狽えた様子だった。

「離婚しないわけにはいかないか?子供は処分する。菜々実とも完全に縁を切る。もう一度チャンスをくれないか、遥」

私は何も言わずに笑うだけだった。

安彦と付き合い始めた頃、菜々実はまだ小さかった。

彼が彼女のことを話す時も、ただ菜々実は両親の同僚の娘だから、面倒を見ているだけだと言っていた。

その頃、私は笑いながら尋ねた。「もし私たちが結婚したら、あなたの妹の菜々実がずっとあなたにまとわりついてきたらどうする?」

安彦は軽蔑したような顔をして言った。「そうしたら、彼女との兄妹関係を絶つさ!俺の心の中で一番大切なのはお前だけだ」

でも、火傷を負った後の菜々実との初対面は、私に大きな衝撃を与えた。

その日、休憩室の外で、彼が幼馴染の親友たちと私のことを冗談めかして話しているのを聞いてしまった。

「あの時、感動して、このブスに求婚なんかするん
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